番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第1話
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いるのはそんなことじゃないだろう」
「・・・どう言う意味だ?」
スカリエッティの言葉で気勢を削がれたフェイトであるが、
なおも鋭い目線を向けつつ、引く押さえられた声で問う。
「君が私に対して抱いている怒りは、社会を混乱させたことに対する公人としての
怒りではないと言っているんだ。
君の怒りは極めて個人的な理由によるものじゃないのか?」
「なんだと?」
「君が私に向ける怒りは、私がプロジェクトFの根幹技術を開発したからだろう。
私がいたせいで、自分の母親は破滅することになった。とね。
だが、私がそうしていなければ君自身が誕生することもなかったんだ。
感謝されこそすれ、恨まれる謂れはないんだがね」
笑みを深くしたスカリエッティがそう言うと、フェイトは俯いてしまう。
少しして、彼女の顔がスカリエッティに向けられる。
その顔は猛烈な怒りによって彩られていた。
「貴様ぁぁぁぁっ!」
普段のフェイトを知る者が聞けば別人かと思うほどの怒声をあげるフェイト。
「来るぞ、セッテ!」
「了解・・・」
あまりの剣幕に気圧されたトーレがセッテに声をかけつつ構えをとる。
そしてフェイトがスカリエッティに向けて飛びかかろうとした瞬間、
2つのことが立て続けに起こった。
1つはフェイトがこの場で戦闘を始めて5分が経ち、AMFCの発生に使われていた
カートリッジがその魔力を失ったのである。
(ぐっ・・・AMFCが切れた!? 重い・・・)
AMFCを失い、AMFの影響をモロに受けることになったフェイトは
飛行魔法の出力低下によって自分の身体が急に重くなったように感じていた。
(それでも、行くっ!!)
フェイトは構わずにスカリエッティの方に飛ぼうとする。
だが、その周囲に真っ赤な魔力の糸が地面から突き出してくる。
(なにっ!?)
その魔力の糸はフェイトの四肢とバルディッシュに絡みつき、その動きを拘束する。
(しまった!!)
唇を噛みつつスカリエッティの方に目を向けるフェイト。
その目には両手にグローブ型のデバイスを装着し、その先端からフェイト自身を
拘束する魔力の糸が伸びるさまが映った。
スカリエッティは呆れたような表情をフェイトに向ける。
「やれやれ。 こうも思惑通りに事が運ぶと、些か張り合いがないね」
「どういう意味だ!?」
フェイトがスカリエッティを睨みつけながら言うと、スカリエッティは
フェイトに向けて嘲笑する。
「どういう意味もないだろう。 君は私にうまく乗せられて私の思い通りに
動いてくれたということさ」
次いでスカリエッティは肩をすくめる。
「どうも君は過去の反省が生きてな
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