暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第1章 動き出す日常と新たな仲間
第17話 友達
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れる信者に加護と言う名の治療を行わせた。この事に関して少女は不満を感じた事はなく、むしろ自分の力が役立てる事を嬉しく思っていた。少女は神様からの贈り物に感謝していた。
だけど、少し寂しくも感じていた。なぜなら彼女の傍には、心を許せる友人が1人もいなかったから。みんな彼女に優しくしてくれる。でもそれと同時に彼女の力を異質なものとしても見ている事に彼女は理解していた。
そして、転機が訪れた。ある日、たまたまケガをしている悪魔を見つけた彼女は治療してしまった。彼女の生来の優しさがそうさせてしまった。それが少女の人生を反転させた。その光景を見ていた教会関係者の一人が内部に報告した。この事実に司祭は驚愕した。
『悪魔を治療できる力だと!?』
『そんな馬鹿な事があるはずがない!』
『治癒の力は神の加護を受けた者にしか効果を及ぼせないはずだ!』
治癒の力を持った者は世界各地にいた。けれど悪魔や堕天使にまで効果を及ぼすものではなかった。教会の司祭たちは手のひらを返したように、彼女を異端視するようになった。聖女として崇められた少女は、悪魔を治療できるというだけで今後は魔女として恐れられ、あっけなく教会から捨てられた。行き場のなくなった少女を拾ったのは極東にあるはぐれ
悪魔祓い
(
エクソシスト
)
の組織。少女は敬虔なシスターであったにもかかわらず捨てられた。神は救ってくれなかった。でも一番ショックだったのは、教会で自分をかばってくれる人が誰もいなかったことだ。少女の味方は誰もいなかった。
「……きっと私の祈りが足りなかったんです。私、抜けているところがありますから。きっと気付かないところでバカなことをしてしまったんです」
そう言って、アーシアは笑いながら涙をぬぐった。
「おかしいですよね。会ったばかりの皆さんに、こんな話をして。きっとこれも神の試練なんです。私が全然ダメなシスターなので、こうやって修行を与えてくれているんです。今は我慢の時なんです。いつかお友達もたくさんできるとしんじてます。私、夢があるんです。お友達と一緒にお花買ったり、本を買ったり……おしゃべりしたり……」
その後はもう言葉になっていなかった。原作読んで知ってはいたけどやっぱり直に聞くと納得出来ない。彼女を教会から遠ざけなければならない理由が天使側にはあったらしいけど、いくらなんでもこれはないでしょ。さんざん利用して都合が悪くなったら捨てるって、よくそれで神の名を語れるわね。
周りを見渡すと皆もだいたい同じようなことを考えているような顔をしていた。特に祐斗は反応が顕著ね。自分と同じ教会に利用されて切り捨てられたからかしら。……でも誰も動かない、いえ動けないのね。正直みんなどうすればいいのかわからないんだろうね。でもそんな中イッセ
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