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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第1章 動き出す日常と新たな仲間
第16話 聖人少女と堕ちた聖女
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彼女はほんの少し肩を震わせながら
「……けて」
「うん?」
「……助けて、下さい」
彼女は泣きながら、でも精一杯の気持ちを込めて言った。言ってくれた。これでもう私も遠慮をする必要がない。わたしは彼女を抱きしめてあげる。
「うん、分かった。あなたを助けてあげる。それにイッセーだって、龍巳だって、他のみんなだって助けてくれるわ」
そう言って彼女の頭を撫でてあげるとついに限界が来たのか彼女は声を上げながら泣き始めた。でもそんな時空気を読まない無粋な輩が
「無理だな」
などとのたまった。全く本当に空気を読んでほしいわね。私達の目の前には堕天使が3人ほど降り立っていた。
「ド、ドーナシーク様」
なるほど、真ん中でトレンチコートを着ているのがドーナシークね。なら左のスーツを来た女がカラワーナ、右のゴスロリ着たのがミッテルトかしら? 到着する前にアーシア連れて逃げようと思ったけど意外と早かったわね。まあ間に合わなかったのはしょうがないし、どうせならここでも1つ布石を打っておきましょうか。
「こちらに戻れアーシア・アルジェント。貴様の
神器
(
セイクリッドギア
)
はレイナーレ様の計画に必要不可欠なものなのだ」
「イ、イヤです。もうあそこには戻りたくありません。こんなふうに人を殺める人たちのところには行きたくありません。そ、それにあなた達は私を……」
「何度も言わせるなアーシア・アルジェント。あまり聞き分けがないようだと「黙りなさい」……貴様」
私はドーナシークの言葉に割って入るとアーシアの前に壁になるように立ちはだかった。
「悪いけどこの子は私の妹たちの恩人なの。あなた達には渡さないわ」
そう言って鞘に収めた七天七刀を構える。
「この下級悪魔風情が、何をしているのか分かっているのか?」
「そっちこそ。あなた達何をしているか分かってるのかしら? ここは魔王の妹が管理している土地。何か問題を起こせば即戦争よ? そちらの総督殿はこのことを知っているのかしら?」
「ふん、この計画は上に隠して遂行している。その点この土地ほどいい隠れ蓑はない。なにせ他の堕天使はここに目を向けないのだから。それにここで貴様の口を封じれば問題になることもあるまい」
そう言って堕天使たちは光の槍を構える。しかしこの人達も愚かね。もっと苦労すると思ってたのに独断専行だってことあっさり吐いてくれたわ。まあおかげで楽できたからいいけど。しっかり言質もとったし、これで部長たちも遠慮なく動けるわね。独断専行ならこれはどこででも起きている小競り合いになるんだから。そうと分かればここにはもう用は無いわね。
「か、火織さん」
「大丈夫よアーシア。心配しないで」
堕天使たちは余
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