暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第1章 動き出す日常と新たな仲間
第14話 悪魔のお仕事
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完全に涙目だ。龍巳って話ではかなり強いドラゴンじゃなかったけ? そのドラゴンをも怖がらせる変態って一体……。
「いきなり何をするにょ。痛かったにょ」
ってうおい!? ドラゴンの一撃受けて痛かっただけかよ!? このおっさん何者だ!?
「あ、え、え〜と。すみません。グレモリー眷属を召喚しましたか?」
と、取り敢えず仕事の話に持って行こう。そんでさっさと帰ろう。龍巳のためにも、俺の精神衛生上のためにも。
「そうだにょ。お願いがあって悪魔さんを呼んだにょ。ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ」
「異世界にでも転移してろこの変態」
もう即答だよ。俺に何かできるわけ無いじゃん。
「変態はひどいにょ!? それにそれはもう試してだめだったにょ」
「って試したんかい! いやその前に異世界になんてどうやって行ったんだよ!?」
「でも異世界に行っても魔法の力をくれるようなモノはなかったにょ。こうなったらもう宿敵の悪魔さんに頼むしかないにょ」
そう言ってミルたんは俺の手をガシッと掴むと
「悪魔さん!! ミルたんにファンタジーな力をちょうだいにょぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「いやもう十分あんたの存在自体がファンタジーだよ!!」
ああもうどうして仕事一発目からこんな訳の分からん依頼者を引き当てちゃったんだよ俺!? 一体どうしたら「……これ」って龍巳?
「これ、飲む」
と言って龍巳は手のひらから一匹の黒い蛇を出した。でもミルたんのことが怖いのかまだ俺の後ろに隠れて手だけを突き出してる。
「蛇? これを飲めばいいにょ?」
「ん」
なんか知らんけど話は勝手に進みミルたんは蛇を受け取るとなんの迷いもなく蛇を飲み込んだ。よくあれを疑いもせず飲めるな、などと思っていると……
ズンッ……
おわぁ!? なんかミルたんの周りにオーラが見えるぞ!? つーかさっきより筋肉も膨張してるような!?
「す、すごいにょ! 力が沸き上がってくるみたいにょ! 今なら魔法が使えるような気がするにょ!!」
そう言ってミルたんは拳を腰だめに構えて
「ぶぅぅぅぅぅるあああああああああああああああああああああああ!!!!」
思いっきり突き出した!? それ魔法じゃなくて拳法だよね!? そんな俺の思いとは裏腹に……
ズズゥゥゥゥゥゥゥン
マンション全体が大きく揺れ部屋の壁一面が綺麗に吹き飛んでいた。な、なんてこった。とんでもない変態にとんでもない力を授けちまった。
その後俺と龍巳は代価を貰うといち早く部室に戻った。っていうか逃げ出した。もう一秒でも早くあの摩訶不思議な漢の娘から遠ざかりたかった。
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