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偽りだらけの世界
第五話  自己紹介
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「全員揃ってますねー。それじゃあSHRをはじめますよー」

黒板の前で微笑んでいる、副担の山田真耶先生が言った。
なんか、真耶先生って子供が背伸びしてる感が半端ないわ。

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします、真耶先生」

真耶先生の挨拶に返事したのは、見事に俺だけだった。
そんな俺に一瞬だけ視線が集まったが、みんなすぐに視線を戻す。
そう、クラス唯一の男子のもとへ・・・

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」

ちょっとうろたえる真耶先生がかわいそう・・・
いや・・・一夏くんの方がかわいそうか、真ん中で最前列だもんね・・・


「・・・・・・くん、織斑一夏くんっ」
「は、はい!?」

真耶先生に大声で、名前を呼ばれて、一夏くんは声を裏返して返事した。
・・・真耶先生と一夏くんは漫才でもやってるのかな?

「あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね」

一夏くん集中できないみたいだね。
てか、真耶先生謝り過ぎ。何度も頭を下げるから、眼鏡がずり落ちそうだ。そこ、かわいいな。

「えー・・・えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

そう言って、一夏くんは一礼した。
えっ!もしかしてもう終わり?周りの女子の空気やばいよ?

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・スーー」

おっ、何て言うのかな♪

「以上です」

ガタタッ
いや、周りの女子のこけ方が上手い。

パァンッ!
「いっー!?」

うわ、すごく痛そう今の。
そう今のは千冬さんの出席簿アタック。脳細胞どの位逝ったんだ?
一夏くんは恐る恐る振り返った。

「げぇ、関羽!?」

パァンッ!

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

うん、千冬さんあなたしかいない。

「他にも叩かれたい馬鹿者がいるらしい」

やばいっ

「はぁ・・・まあいい、山田くん、クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」

あれ?関羽はどこへ?劉備の許か?

「い、いえっ。副担任ですから」

「諸君、私が織斑千冬だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け」

なんという暴力発言だ。

「キャーーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」「ずっとファンでした」とか、いろんな声援が響いた。
千冬さんはかなりうっとうしそうだ。

「・・・毎年、よくこれだけの馬鹿者が集まるものだ。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」

どこの誰でもあまり変わらないと思うよ、千冬さん。

「で?挨拶もできんのか、お前は?」
「い
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