やめだ
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雨が降る中、ナツ達は森の中を走っていた。
下手をすれば森が消し飛ぶ。
そう、ユウトが言ったためである。
「なぁ、本当にユウトだけでいいのかよ?」
グレイがそう思うのも無理は無い。
何故なら相手は自分の全力の攻撃でも傷一つつけることができなかったからである。
「あいつがいいと言ったんだ。あいつの言葉を信じないでどうする。」
「そういうエルザも心配そうな顔してんぞ?」
ナツの言うとおりエルザも少し浮かない顔をしている。
それはエルザだけでなく他の者もそうだった。
ある一人を除いて…
「大丈夫ですよ!ユウトさんは強いですから!」
「そういえばあたしたちってユウトがどんな魔法使うか知らないわよね。」
「そういや、そうだな。」
その理由はユウトは基本的に一人で仕事に行くか、ウェンディとしか仕事に行かないのだ。
「確か…嵐の魔法だったか?見たことはねぇけど。」
「珍しいな、嵐とは。普通は風だというのに。」
「はい、みなさんの言うとおりです。ユウトさんは嵐の魔法の使い手。」
ウェンディが一呼吸置いてから再び発言する。
「ユウトさんも私やナツさんと同じなんです。」
「同じって…まさかとは思うけど…。」
ハッピーが何か思い当たることがあるかのように話す。
「ユウトさんは私たちと同じ滅竜魔導士。嵐の滅竜魔導士なんですよ!」
「はぁっ!?まじ!?」
「あいつもドラゴンスレイヤーだったのかよ!!」
「道理で他の魔導士とは魔力が違ったのか。だが、ナツやウェンディとは違う魔力の質だが…。」
「私もそれは思ってて…ユウトさん聞いてみたんですけど……。」
(ウェンディ人には知って欲しくねぇこともあるんだ。)
(俺の過去の事は聞かないでくれ……。頼む………………。)
「…と言ってました。」
走りも止まり、それぞれが考え事を始める。
「知って欲しくないこと。つまりユウトは過去に何かあっている。」
「思えばあいつ出身地が分からないって言ってたよな。」
「私たちはアイツのことを知っているようで何も知らないのかもしれんな………。」
〜ユウトside〜
「あいさつ代わりだユウト!蒼雷!」
キリベルの手から青白く光る
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