暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -Need For Bullet-
-Bullet1-(対戦車)銃使いの少女
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……うっかり忘れてきてしまった。
「はぁ?!」
そう言うとアコードはコンテナのさらに後ろへと走っていく……
やがて、見えなくなった。
その代わりにガシャガシャという足音は大きくなっていく。
「ああ!もう!」
瓦礫の影から銃だけを出して撃つが、カンッカンッと弾かれる虚しい音が響く。
「まずい……どうしよう……」
ポーチからクリップに填められた弾丸を取り出し、弾切れになった銃に詰める。
「はぁ……報酬のいいクエスト選んだらこれかぁ……穴開きチーズにされて終わりかなぁ…‥」
まあこれは現実ではない。ゲームだ。数年前に開発されたフルダイブ技術をつかったVRゲーム『ガンゲイルオンライン』。それがこの世界の名だ。ジャンルとしてはVRMMOFPSらしい。舞台は最終戦争後の荒れ果てた遠い未来の地球。まあ詳しいことはグーグル先生に聞いてほしい。
ゲームといえど死にたくはない。だが片足がない状態ではどうしようもない。こっちは、セミオート式の小銃しかないのだ。ただでさえ不利なこの状況を打開することは不可能だ。
ついに足音が止まる。ふっと頭上から影がさした。
頭を上げるとそこにはところどころ錆びた無人兵器がこちらに銃口を向けていた。
「頭ぁ下げろぉ!!!!」
怒号に咄嗟に身を伏せる。
轟音が響き金属が悲鳴を上げる音とともに頭上の影が吹き飛ぶ。
ガンガンガンガンガンッ!
連続して響く轟音とともに周りの無人兵器が駆逐されていくのを感じた。
「おい。大丈夫か?」
「なんとか……ね……」
瓦礫をよじ登るようになんとか立ち上がる。
片足がないと結構辛い……
遠くから何か軋むような音が聞こえる。
「肩かしてやる。ハラスメントコールするなよ。」
アコードに肩をかりてようやく歩くことができる。
「ありがとう。」
「いいって。とっとと脱出しよう。」
先程の戦闘の流れ弾があたってできたのか、壁の一部が崩れていた。アコードに支えられながら何とかそこへ身体を押し込む。
と、不意に何かが軋むような音が大きくなった。
ギギギ……ミシ……バキンッ!
何かが折れる音がしたと思った次の瞬間、とてつもない轟音を立てて天井が崩れてきた。
風圧で身体が壁の穴から転げ落ちる。
「イタタ……なんなのさぁ……きゃっ!」
左足が無いのを忘れてバランスを崩し、また地面に転がってしまった。
「何やってんだよ。大丈夫か?」
またアコードに助けられながら船の外壁を伝い立ち上がり、先程転げ落ちた穴を覗き込む
「ごめんね。ったく……いったいなにさ。もう……」
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