第四話 入学前日
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実技試験もなんとか終わり、今、寮の自室の前にいる。
今日までの二週間、俺はあることの練習をしていた。今後の学園生活に大きな影響を与えるものだ。勉強ではない、それは・・・化粧だ。それと、話し方である。
コンコン
俺が部屋でくつろいでいると、誰かがドアをノックしてきた。
「はい、今行きます」
そう言って俺はドアを開けた。
「あ、千冬さん」
「イーヴォ、少しいいか?」
「大丈夫です。どうぞ」
俺はそう言って、千冬さんを部屋に入れた。
「イーヴォ、束はどこに居るんだ?」
「私には分からないです。連絡はするんですけど、居場所までは・・・」
「そうか イーヴォ、お前は何のためにIS学園に入学するんだ?」
「私は束さんに一夏くんと箒さんを守るように頼まれたんです」
「そうなのか。ありがとう」
そう言って千冬は頭を下げた。
「千冬さん、頭を上げてください。千冬さんにお礼を言われることなんて、何もしてないですから」
「いや、私は、一人の姉として、一人の教師として礼を言っているんだ。ありがとう、イーヴォ」
そう言って、千冬はまた頭を下げた。
「あっ、千冬さん、私はイーヴォではなく、イバですから」
「・・・分かっている。 イバ、学校では織斑先生だぞ」
「了解しました」
俺はわざとらしく、敬礼をした。
「・・・・・・イバ、次やったら・・・分かっているよな?」
俺は千冬さんの言葉で背中に冷や汗を流した。
「それじゃあ明日な、イバ」
「はい、おやすみなさい織斑先生」
こうして、入学前日は過ぎていった。
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