第四十四話 Final Weapon
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っておきながら自分がイレギュラー化してしまうとは何たる皮肉か。
自分の命は残り少ない。
だから伝えたいことを少しでも多く伝えたい。
自分が心底愛した女性が愛した彼に。
ディザイア「ありがとうエックス君…よく私を倒してくれた。君のおかげでようやく正気に戻れたよ…後少しで私はとんでもないことをしてしまうところだった…」
嫉妬、憎しみ…負の感情から解放され、初めてエックスに対して素直になれた。
エックス「…っ!!」
今までのような事務的な物ではない。
彼の素の言葉にエックスは目を見開いた。
ディザイアはそれに苦笑しながら自身の両手を見遣る。
ディザイア「全ては…全ては私の弱い心のせいだ……己の過ちを認めるのは勇気のいること…しかし…これで…これで少しは強くなれただろうか……」
最後の最後に、ディザイアは本当の意味で強くなれたのかもしれない。
ディザイア「ぐっ…!!」
エックス「ディザイア!!」
身体に走る激痛に表情を歪めるディザイアにエックスはサブタンクを取り出した。
近くにあるノットベレーの残骸も回収し、ディザイアの元に向かう。
エックス「大丈夫か?すぐに治療を…」
ディザイア「いいんですエックス君…私はもう…助かりません……」
元々適合出来ないカーネルのパーツを強引に取り込んだ時点で身体に歪みが生じていたディザイア。
ノヴァストライクやギガブレードのダメージもあり、見た目以上に内部はボロボロだった。
エックス「………」
ディザイア「エックス君…このサーベルをアイリスさんに…カーネルのDNAは此処から出て、すぐの部屋にあります…………。私のボディはここに置いていって下さい…私にはもう…ルインさんに合わせる顔がありませんから……もう…これ以上、彼女を苦しませたく…ない…っ!!」
守りたいと思っていたルインを逆に傷つけていたことに気づいたディザイアはルインに対してけじめを通そうとした。
エックス「……分かった。すまないディザイア………彼女は俺が守る。君の分まで」
もうルインに合わせる顔がない。
これ以上彼女を苦しめたくないと訴えるディザイアの意志を尊重し、その願いを叶えてやることにしたエックスは彼に誓いの言葉を立てながら部屋を後にした。
ディザイア「エックス君………世界を………ルインさんを………頼み…ま、す………」
心を取り戻し、自分の守ろうとしたものをエックスに託すと、愛ゆえに狂気へと走った悲しきレプリロイド、ディザイアは静かに機能停止した。
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