【ゼロの使い魔】編
033 ある日の出来事
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
SIDE 平賀 才人
「不束者ですが、宜しくお願いします」
「……取り敢えず、お話しようか」
ラ・ヴァリエールから戻って数日のある夜。俺は自室で痛む頭を──蟀谷をぐりぐりと両手の親指で解す。……と云うのも、ルイズがベッドに三つ指をついて頭を下げて来たからだ。恐らく──というよりは確実に、ルイズにこんなアホな事を吹き込んだのはユーノだと当たりをつける。
「……と云うより、ヴァリエール公爵夫人達──カリーヌ様達との口約を忘れたのか?」
「う゛っ! ……それはそうだけど…」
ルイズは図星を突かれたのか、バツが悪そうに言う。……因みにだが、俺とルイズは未だに男女の契りは行っていない。カリーヌ様──認められたのか、そう呼ぶ様に言われた。カリーヌ様に学院を卒業するまではお手付き無し≠ニ言われたからだ。理由としては、恐らくだがルイズがまだ学生だからだろう。
ユーノ? ……明るい家族計画さん≠ノ──所謂近藤さん≠ノ、ユーノとの時はお世話になった。……とは云っても明るい家族計画を使ったのは途中からで──2回戦目からで、最初は生でしたが中ではしてないとだけ言っておく。……だが、このハルケギニアで避妊具の存在などロバ・アル・カリイエ謹製のモノとしか言い訳のしようが──
(あれ? ……別に大丈夫じゃ…。……この辺はカリーヌ様に要相談だな)
「大体、なんでそこまで──」
そこまで言ってその質問が愚問である事に気が付く。
大体、なんでそこまで焦るのか=c…そんなのは決まっている。サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ包囲網(仮)≠ナ男女の契りを交わしていないのは最早ルイズだけだ。それはそれは、かなりの焦燥を感じているだろう。
「……俺は…その…ルイズの事は好きだぞ?」
「……ふぇっ?」
(ヤバい! 恥ずかしいっ!)
ルイズが俺のいきなりの告白に気の抜けた声を上げる。顔が赤くなるのを自覚するが、これ≠ヘ、俺に好意を寄せてくれるルイズに伝えなくてはならない事なので顔の赤さは気にせず、ルイズの目を見て矢継ぎ早に話す。
「ピンクブロンドの髪が好きだ。鳶色の瞳が好きだ。頑張り屋さんなところが好きだ。ちょっと泣き虫なところが好きだ。地味にバストサイズにコンプレックスを持っているところが好きだ」
嘘偽りの無い、俺から見てルイズの好きなところをつらつらと挙げていく。その内気恥ずかしさも消えて、頬の紅潮も治まっていくのが判った。
「ちょっ!? 〜〜〜〜〜〜っ!? ……っ!?」
「ルイズ」
「……サイト?」
顔をこれでもかと真っ赤にしながらルイズは背けようとする。……俺はそれを許さない。そっぽを向こうとするルイズの頭を両手で
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ