動き出す語り部
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イス・アームズを次から次へと壊している。
雷神衆だって魔力をかなり消費している為最初から不利なのは解っていた事でもあるが―――――これ程とは。
「この程度か、退屈すぎる。何故僕の部下達が敗れていくのか、理解に苦しむな」
眉を小さく上げ、ジョーカーは呟く。
左右で色の違う目を、僅かに細める。
「さて……そろそろ消そうか。そうだな、まずはこの中で1番邪魔な……」
欲しいモノの中からたった1つを選ぶように、ジョーカーは右人差し指で辺りを指す。
その動きに合わせて目線が揺れ、デバイス・アームズを破壊する者やジョーカーを睨む者を映していく。
そして―――――指が、止まった。
「治癒魔法を使う、君にしようか」
「え?」
その先にいるのは、藍色の髪の少女。
負傷者に治癒魔法をかけ、支援魔法をかけ、時に天空の滅竜魔法でデバイス・アームズを破壊していた―――――ウェンディ。
「ウェンディ!」
「させないっ!立体文字・ICE!」
シャルルが叫び、レビィが魔法を発動させる。
文字の形をした氷が、ジョーカー目掛けて放たれた。
それを視界に捉えたジョーカーは、短く告げる。
「怠惰…傲慢」
「っきゃあああああああ!」
「レビィ!」
「このっ…!」
立体文字を無効化し、光の羽を容赦なく放つ。
レビィの悲鳴を聞いたジェットとドロイが振り返り、ほぼ同時に駆け出した。
先にジョーカーに近づいたのは、神速を扱うジェット。
「隼天翔!」
ジェットが超高速飛び蹴りを放つ。
が、ジョーカーは表情1つ変えずに口を開いた。
「迂闊に近づかない方が身の為だよ?」
「!」
「傲慢」
「があああああああっ!」
「ジェット!」
至近距離からの、無数の光の羽。
回避する間も防御する間もなく、ジェットは一撃でボロボロになる。
同様に駆け出していたドロイは、肩から下げた容器から種をまく。
「秘種!ナックルプラント・アッパー!」
植物によって急速に成長した、先端が拳のようになっている植物。
その拳はジョーカーにアッパーをかますべく彼を狙う。
植物をヒラリ、またヒラリと避けながら、ジョーカーは右手を顔の前で振る。
「嫉妬――――――立体文字・TORNADO」
「っつああああ!」
記憶している他人に変身する嫉妬でレビィに変身したジョーカーは、何とか文字に見える荒れ狂う風を投げつける。
風邪は植物をいとも容易く切り刻み、ドロイを襲った。
「シャドウ・ギアまで……」
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