動き出す語り部
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られたのは、ブーメラン。
銃形態からブーメラン形態になったエウリアレーは、いとも簡単にクッキーを砕く。
魔法とはいえ、割れやすいのに変わりはないようだ。
クラッベの笑みが僅かに引き攣る。
「え、それって射撃系武器専門じゃないの?」
「は?いつ誰がそんな事言ったよ。オレの武器魔法は遠距離専門。ブーメランだって、投げりゃ遠距離攻撃モンだろ」
戻ってきたブーメランを一瞬にして銃形態に変えてから、「まあ銃が1番扱いやすいけどな」と笑う。
が、その笑みは直ぐに消え、スバルは地を蹴った。
つい先ほどまでスバルが立っていた場所から、赤黒い花が咲く。
「!」
よく見るとその花弁は紫に似た色合いの膜を纏っていた。
少し触れた雑草が一瞬にして腐り枯れた所を見るに、毒か何かの一種なのだろう。
とりあえず触らなくて良かった、と安堵の息を零す―――――暇もなく、フレシュが飛ぶ。
「雷花!」
「ライトニングショット!」
黄色い花弁。
バチバチと音を立てる雷を纏った花弁が視界に入った瞬間、スバルは反射的に体勢を変え銃を向けた。
雷の魔力を込めた銃弾と花弁がぶつかり合い、相殺する。
驚いたように目を見開くフレシュに、スバルはニヤリと笑う。
「オイオイどうした、接収使い。んな事で驚いてるようじゃオレの相手は出来ねえぞ?」
「……気づいていたの?私が接収を使う、と」
「さっきと格好が違う。この戦い中に着替える時間なんざねえだろ。となれば換装系か変身系に限られる。で、接収って言ったのは当てずっぽう」
にひ、と笑うスバルに、フレシュは短く息を吐く。
確かに彼女は先ほどまで青薔薇で構成されたような恰好だった。今は、スカート部分が桃色の花弁で作られたワンピース。
顔と同じくらいのサイズの花が、まるで帽子のように頭に飾られていた。
「そう……貴方の読み通り。私の魔法は接収・植物の魂。触れた植物の力を得て、我が物にする魔法」
「ふーん、まあどうでもいいや。お前がオレの敵で、オレがお前の敵なのに変わりはねーし」
言葉通り、心底興味なさそうに肩を竦める。
片目を閉じ、くるくるとエウリアレーを片手で回すスバルは、「ああ」と思い出したように呟いた。
「そういや言い忘れてた」
「は?」
「何が?」
「何の手も打たず敵と話す気はねえんだ、オレ」
意味の解らない言葉に、クラッベもフレシュも首を傾げる。
それを視界に入れ口角を上げたスバルは、エウリアレーを左手で持ってから右の指を鳴らした。
パチン、という、小さいながらにヤケに響くその音が耳に飛び込んできたと同時に、周囲に沢山の魔法陣が
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