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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第433話】
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から、少しは落ち着かせろって」

「ぅ、ぅん……」


 言ってからおにぎりに手を伸ばし、それを小さな口で一口食べる――海苔と塩のシンプルなおにぎりだが、塩梅は悪くないはずだ。


「……美味しい」

「あぁ、おにぎりは昔から作ってるからな、手軽だし。 まあサンドイッチのが速く作れるけど、やっぱり米の方が美味しいからな、俺的には」


 言いながらも俺は青椒肉絲を食べ終え、手を合わせていつものようにごちそうさまと二人に告げた。


「……あ、そうだ。 あんた、タッグマッチはもちろんアタシと組むんでしょうね?」


 思い出したかの様にそう呟く鈴音、目尻がつり上がり、顔を近付けてプレッシャーをかけてくる。


「……悪いが今回は鈴音とは組めないんだよ」

「あら、ヒルトは誰か既に組む相手を決めてるのかしら?」


 俺の言葉を訊いて目を見開く鈴音、そしてティナは既に組む相手が決まってる事が気になった様だ。


「ん、まあな。 今回は四組の更識さんと組もうと思ってな」

「そうなの? 確か、噂だと彼女の機体って――」

「あぁ、まだ未完成だな。 俺も何度か見てるから知ってるよ」


 俺とティナ、二人で会話をしてると鈴音が――。


「な、何で四組の子と組むのよ! アタシと組んだ方が良いに決まってるじゃん、ヒルト!」


 そう言ってまた顔を近付ける鈴音、鼻先が当たり、ちょっと唇を突き出せば確実にキスが出来るだけの距離だった。

 そんな鈴音の様子に、ティナは僅かに微笑を溢しながら――。


「ふふ、良いじゃない? 他の専用機の子達と組まれて仲が深まるよりは」

「そ、そうだけどさぁ……。 ぬぐぐぐ……」


 唇を真一文字に結ぶ鈴音、暫くすると軽く息を吐き、その吐息が俺の頬を撫でた。


「……まあセシリアや未来達と仲が深まるよりは良いけどさぁ……。 ……今回だけだからね、ヒルト。 今回は諦めるけど、その代わりアタシに何か奢りなさいよ!」


 納得したのかはわからないが、ティナのお陰で荒れる事無く事態は終息したのにはありがたい。


「わ、わかったよ。 でも俺は代表候補生じゃないからな? 他の子みたいに潤濁にお金使える訳じゃないんだから」

「わかってるわよ、そんなに高いもの奢って貰おうなんて思わないからっ」


 白い歯を見せて笑う鈴音、現金だがこれで鈴音は多分納得しただろう――と、今度はティナが。


「うふふ、じゃあ私もついでに何か奢って貰おうかしら? またはポテチ段ボール一箱分とか」

「ひ、一箱分?」


 段ボール一箱分って、結構ある気がするのだが――と、クスッと笑みを溢すとティナは。



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