暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第0章 平穏な日常と新たな家族
第6話 また迷子!?
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と、数年前に両親が他界してしまったこと、それから姉妹2人で身を寄せ合って生きてきたこと、とうとう食べるものも無くなってしまったこと、お腹が空きすぎて動けなくなったこと。

 生まれた時からずっと幸せだった私には想像できない過酷な生活のようだった。そして、ここまで説明されればこの2人の名前に確信が持てた。おそらく、黒歌(くろか)白音(しろね)よね。原作で読んだ彼女たちの境遇と合致している。

 おそらくあそこで私が拾っていなかったら、悪魔が拾って眷属にされていたでしょうね。そして拾った悪魔が最低な野郎と分かり、妹に危害が及ぶ前に黒歌はその悪魔を殺して姉妹で確執が生まれるわけか。……そうなるとここで放り出すこともしたくないな。結局また飢えて、そのまま悪魔にされそうだし。

 それに、こうして彼女たちを目の前にすると、このまま彼女たちを不幸になんてしたくない。文章で読むのとこうして実際に目にするのは別物なんだから。さて、どうしたものか?

「それで、あなた達はこの後行くアテはあるの?」

 あるわけないじゃないお母さん。あったらこんなとこで野垂れ死にかけてないよ。実際黒髪の少女は首を横に振った。

「なら、うちの子にならない?」

 ……へ? 今お母さんなんて言った?

「行くアテがないならうちにいらっしゃい。娘が増えて大歓迎よ」

 どうやら聞き間違いではなかったらしい。全く、こんな大事な決断を簡単にしちゃうなんてお母さんはすごいな〜。一生敵いそうにないよ。一方お母さんの言葉に固まっていた黒髪の少女は猛然と食って掛かった。

「安い同情なんていらない! それに私たちは妖怪! 人間と一緒に暮らせるわけないじゃない!」

 うん、普通はそう思うよね。普通なら。でもあいにくうちは普通じゃない。なんてったって生きた前例が今私の隣にいるんだから。

「そんなことないわ。種族が違うなんて些細な問題よ。なんといってもこの娘だって人間ではないのだから」

 そう言ってお母さんは龍巳を抱き寄せた。猫又の姉妹はきょとんとしてる。

「ん。我、人間じゃない。我、龍」

 そう言うと龍巳は手のひらをかざし、蛇を呼びだそうとして、

「これ、分かりにくいかも……」

 と言うと、手を戻して背中から龍の翼を生やした。

「な、なんで……」

「我、ずっと一人だった。でも我、お父さん、お母さん、お姉ちゃんに会った。我のこと、家族と言ってくれた。だから我、ここにいる」

「それから誤解の無いよう言っておくけど、あなた達に同情したから家族にしようと思ったのではないわ。あなた達が気に入ったから家族にするの。そこを勘違いしてはダメよ?」

「そうだぞ。俺も同情なんかで権力の乱用なんてしない。君たちを娘にしたいか
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