第零話 誕生!!正義の兄弟戦士その八
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「俺達どうなったんですか?」
「断ったら」
「南港で泳いでもらっていた」
極めて普通の顔でだ、悪田部は答えた。
「永遠にだ」
「永遠、ですか」
「つまりそれは」
「君達はコンクリートは好きか」
普通だった、その目も。
「足に付けるが」
「いえ、嫌いです」
「コンクリートは建物にはいいと思いますけれど」
二人は悪田部に表情を消して答えた。
「ちょっとそういうのは」
「勘弁して欲しいですね」
「それは何よりだ、私も君達を十人目、十一人目の南港の永遠のスイマーにするつもりはあまりなかった」
「あの、あまりですか?」
「しかも十人目十一人目って」
二人は悪田部のその言葉に恐怖を感じた。
「長官、ひょっとして」
「いざとなれば、そして前にも」
「急死という言葉がある」
悪田部はこうも言った。
「わかるな」
「そういうことですか」
「何か色々あるんですね」
「というか長官の噂って」
「本当だったんですね」
二人はこのことに戦慄を感じた。
「邪魔者はその」
「何ていいますか」
「口外は無用だ」
つまり言うなというのだった。
「口外すれば、わかるな」
「はい、よく」
「わかります」
「そういうことだ、それでだが」
悪田部は二人に脅しもかけながら主導権を握って話していく。
「君達にはマシンや武器も用意してあるからな」
「そうしたものも使って、ですね」
「日帝衆と戦えっていうんですね」
「その通りだ、ただ相手はほぼ不死身だからな」
「俺達があの人を殺すことはない」
「その心配はないんですね」
「だから思いきりやることだ」
そうして構わないというのだ。
「さもないと返り討ちに遭うのは君達だ」
「ですか、じゃあ」
「何があっても勝ちますんで」
「手段は選ばないことだ」
悪田部は二人の目も見て言った。
「もっとも君達はそうした人間の様だがな」
「はい、やるからには」
「手段は選ばないです」
「お金の為ですから」
「就職の為にも」
将来の話もするのだった。
「ですから絶対に」
「どんな手段を使っても勝ちます」
「そうしてもらおう」
「じゃあ本当に」
「武器とかマシンもお願いしますね」
「後で君達に変身の仕方も含めて渡す、使用方法について書いたマニュアル付きでな」
そのことも忘れなかった、こうしたことには親切だった。
「では必ず勝つことだ」
「はい、わかりました」
「それで」
二人は悪田部の言葉に頷いた、しかし。
ここでだ、不意にだった。
二人共だった、あることに気付いた。それでそのことも悪田部に尋ねた。
「あの、それでなんですけれど」
「一つ聞いていいですか?」
「何だ、一体」
「はい、何で俺達なんですか?」
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