第八十二話 近付く卒業その十四
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「多分だけれどね」
「もっと取ってるんじゃないの?」
「いや、平均だとね」
「六十位?」
「低くてもね」
「じゃあ絶対にセーフよ」
「だといいけれどね」
どうしても不安は完全に消えずこう言うのだった。琴乃も。
「それだと」
「全教科で赤点ないのよね」
「多分ね」
「悪くても五十位?」
「そうだと思うけれど。自己採点まだしてないけれど」
「解答は答案用紙に書いてるわよね」
「解答用紙とは別にね」
丁寧にそうしていたのだ、勿論後で自己採点をする為だ。
「してたわ」
「じゃあ後はそれで自己採点すれば」
「今日お家に帰ったらするわ」
実際に、とだ。琴乃も答えた。
「とにかく、気持ちよくね」
「一年の最後迎えられるといいね」
「そうよね」
こうしたことも話してだった、そのうえで。
琴乃はとりあえず部活に出た、そうしてそこで五人になったところでそのうえでプラネッツのメンバーにもテストのことを話した、すると。
里香がだ、こう琴乃に言った。
「とりあえずいけそうなのね」
「ええ、多分ね」
そうだとだ、琴乃はその里香に答えた。
「出来たわ」
「それじゃあ今はね」
「今は?」
「とりあえずテストのことは忘れてね」
「それでなの」
「部活楽しもう」
テストから気持ちを切り替えて、というのだ。
「そうしよう」
「部活ね」
「そう、そっちにね」
「そうね、それじゃあね」
「今のところはね」
里香は笑顔で琴乃の背中を言葉で押した、琴乃も里香のその言葉に応えてだ、そうしてだった。
部活を頑張った、そうしてだった。
家に帰ると自己採点をしてみた、その結果はというと。
次の日クラスでだ、琴乃は笑顔で話した。
「かなりね」
「よかったのね」
「いけてたのね」
「どの教科も点数上がってたわ」
「あっ、よかったじゃない」
「それだったら」
「ほっとしたわ」
満面の笑顔での言葉だった。
「だからこれでね」
「卒業ライブも気持ちよくやれる」
「そういうことね」
「部活と勉強は別だけれど」
それでもだというのだ。
「どうしてもね」
「気になるわよね」
「多少でも影響するわよね」
「どっちも調子がよかったらね」
それで万全だというのだ。
「不思議よね、本当に別なのね」
「気持ちの問題でね」
「どっちもね」
「影響し合うのよね」
「まあ気にしないっていう人もいるけれど」
この辺りも個人差がある、勉強そっちのけの生徒も部活自体をしていない生徒もいる。そこは本当にそれぞれだ。
だからだ、彼女達もこう言うのだ。
「そこはそれぞれで」
「大抵の子は気にするのよね」
「部活だけでも勉強だけでも」
「そうはいかないわね」
「というかね」
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