第三話〜思念と出会い〜
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り気味な、バナージは若干落ち着かない素振りを見せた。
「御二人共、こちらへ」
月詠からの言葉に従い、二人はその部屋に入る。
その部屋は会議室のようで、大きいサイズの円卓に椅子、そして壁の一つが大型スクリーンとなっていた。
二人は支持された二つの椅子にそれぞれ座り、机を挟んだ向かい側の対談相手に目を向ける。
「「………………………………は?」」
後に「吹き出さなかったのは奇跡だ」と二人は語るのだが、自分たちに向かい合うように座るのは、月詠と同じく赤色の服を身に纏い、その大柄な体を椅子に収めた武人であった。その武人は一般的な成人男性よりも一回り大きく、明らかに体の大きさと椅子のサイズが合っていない。
そこまでであれば二人も特に気にしない。
だが、そんな二人が見逃せなかったのがその武人の髪型だ。
その髪型とは、頭の側頭部にそれぞれ横に生え、その髪の先が角のように尖り上を向いているものであった。
変わっているどころか奇天烈なその髪型に呆気に取られた二人に対して、その武人は名乗りを上げる。
「此度は、貴殿らの救援を感謝する。私は帝国斯衛軍大将の紅蓮醍三郎だ」
その言葉にハッとして、二人はようやく意識をこれからの会話に集中させることができた。
「こちらも、今回会談の場を設けてもらった立場だ。過度の感謝は遠慮して欲しい」
「ほう?」
値踏みするような紅蓮からの視線を受け流しながら、マークは本題を切り出す。
「俺は、独立部隊ジェネレーションズ所属のマーク・ギルダーだ」
「バナージ・リンクスです」
二人の名乗りに値踏みの視線を切り上げた紅蓮は眉を顰める。それは既に二人の名前を知っていた月詠も同じだ。
「ギルダー殿、しばし待ってくれ。貴殿の言う部隊はどこの国の所属だ?」
紅蓮の言葉に礼儀を感じる二人は、一応警戒はされているが最低限感謝をされていると考える。少なくとも、頭ごなしに一方的な要求をしてくるようなことはないと察せられる程には。
話の腰を折られたが、マーク自信その質問は想定していたために特に動揺もせず
用意していた言葉を口にする。
「俺たちの部隊は国の所属ではない。更に言えば、俺たちの部隊はこの世界には存在しない」
この答えに二人は更に混乱する。マークの言葉をそのまま受け取れば、その部隊は所属どころか元々作られてすらいないことになるのだ。
「俺たちはこの世界とは別の世界、時間的ではなく根底から違う世界から来たことになる」
「「は?」」
今度は紅蓮と月詠が間抜けな声を洩らす番であった。
紅蓮と月詠の二人は、突然現れた三機の新型の戦術機が偶々今回の戦闘に巻き込まれたと考えていたのだ。そして今回の会談は、その新型の技
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