第三話〜思念と出会い〜
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、まだ彼が冷静さを残している証拠でもあるのだが、それを知っているのは当人だけである。
(手荒い歓迎を受けていないだろうな?)
そんなことを考えながら、ユニコーンガンダムとクロスボーンガンダムの機体の方へ視線を送る。
クロスボーンの方は、デュアルアイの光とエンジンの駆動音から主基を落としていない事が伺える。
そちらにも何人かの兵士と整備士が足元にいたが、機体を見上げているだけであるため、単に物珍しくしているだけであると察した。
「…………ん?」
次にユニコーンの方に視線を向けると、そこには未だにコックピットハッチが開いていない白亜の機体が立っていた。
先ほどのマークは了承する前に通信を切ってしまった為に、聞き逃したのかと考えた彼は、ジャケットの内ポケットからインカムを取り出す。その際に周りの兵士が警戒の色を見せたが、後ろめたいことをするつもりが端からないマークは彼らの反応を無視した。
耳にインカムを付け、周波数は元々繋がるようになっていた為、特にいじらずに電源を入れる。
「バナージ、応答しろ」
数秒間の沈黙。それでマークは一瞬、「寝ているのか?」と思うが、それを確かめるよりも先にユニコーンがアクションを起こす。
コンクリートの地面を削る音と共に、ユニコーンが両手、両膝をつくように倒れてきたのだ。幸いにも、装備していたビームマグナムは背部ハードポイントに装備していた為、それの破損と暴発は避けることが出来ていたが。
ユニコーンの周りにいた整備兵は蜘蛛の子を散らすように退避し、保安要員らしき兵士たちはユニコーンから一定の距離をとってから手にしていた銃を構えた。
その光景を目にした瞬間、マークは自分の向けられた銃口の事も忘れ叫ぶ。
「銃を下ろせ!敵意を見せるな!!」
その場に響いた怒鳴り声に込められた必死さが伝わったのか、一瞬だけマークに対する警戒の念が緩む。それを察したマークは、即座にユニコーンの機体に近づいていった。
少し遅れて、周りの兵士がマークを拘束しようと動き出し、彼の肩を掴んでくる。
その掴まれた感触が酷く不愉快に感じつつも、彼は口を開く。
「妙な真似をしそうになったら射殺でもなんでもしろ!」
自分を撃ち殺せと言ってくる相手に、流石にどんな対応をすればいいのか分からなくなった兵士たちはマークを拘束することを躊躇った。
両手を地面につけて四つん這いになったユニコーンの胴体、コクピットの真下に潜り込んだマークは再度インカムを使い呼びかける。
「飲まれるな、バナージ!今はとにかくそこから出て来い!」
事情を知らない人間が聞けば何を言っているのか理解できない言葉。しかし、ユニコーンのパイロットであるバナージにその言葉は届いたのか、胸部装甲が開
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