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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
これは、違う
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ちゃんでも、そんな感じで。それなら名前じゃないし。」

そこに一切理屈が存在していないのだが、幼い子供であるのだし仕方ないだろう。
というよりも、一輝としては今の呼び方さえ変われば何でもよかったのだ。

「え、えっと・・・じゃあ、お兄さん・・・?」
「うん、それで。妹っていないから、なんだか新鮮だな!」

どことなくうれしそうな一輝はそう言いながら湖札の手をとり、どんどん道なき道を進んでいく。
途中で何度も妖怪と遭遇したが、それは全て陰陽術で退治し、自分の中にその魂を封印していく。
さすがに、今回の集まりのために前もって山の中にいる妖怪は退治されているので、二人が妖怪に遭遇する回数は少なめであるし、大妖怪のたぐいは出てきていない。
星夜も、一輝なら余裕を持って退治できるという事が半ば確信できていたからこそこの仕事を任せたのだ。

この日に山の中で遭遇する妖怪は、せいぜい前日に探した際死に場所すら特定できなかったような妖怪。大した問題にはならないだろう、と。
他の所から来たとしても、運が悪くて大妖怪。さすがにそれだけの存在が山に入れば結界が探知するし、一輝なら自分たちが駆け付けるまでは耐えるだろう、と。

当然ながら、霊獣や神が現れる可能性は、星夜の頭の中にはない。
そんなものと遭遇する可能性はごくごくわずか。油断と言ってしまえばそこまでだが、そんなことは考えもしていない。

と、星夜はここまでは考えた。神が降臨するなどという突拍子もない可能性をほんの一瞬だけ考えて、それで思考を停止してしまった。
だからこそだろう・・・結界の設定も、神までしか反応しない。

「ん・・・?何か光ってる・・・?」

一輝は怪しく光る青色の光を発見し、それが何なのかと思って湖札の手を引きながらそこに近づいた。
まだちゃんと警戒心があったのか片手に五行符を一種類一枚ずつ持ち、いつでも攻撃に移れるようにしてからではあるものの、彼はこう考えながら近づいていた。

『やっと見つけた・・・』と。
あの青い光は何か自分が知らない術なのではないか。それを使っているのは湖札の両親なのではないか。
そう考えていたがゆえに五行符こそ手に持っているものの、足取りは軽い。
あと一メートル。その先にある枝をこえればその光のもとにたどり着くというところで、青い光の位置が変わった。

ゆっくりと上に伸びていくのを見て、一輝はようやくそれが怪しいということに気づいた。
途中まで・・・大人の身長くらいまでは何の反応もしなかった。
だが、足を止めた時点でそれは二メートルを超え、呆然としているうちに三メートル、四メートルと伸びていき・・・一瞬強く光ると、二メートルくらいに縮まり、密度が増した。
光が縮まった時の衝撃ですでに枝は吹き飛んでおり、二人の姿
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