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戦国異伝
第百七十二話 戦を振り返りその六
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ござらぬか」
「うむ、こうして敵味方に分かれておるのも何かの縁」
「そうなればですか」
「前に都でお話しましたが」
 そのうえでだというのだ。
「こうして戦の場でお会いしたならば」
「心おきなく闘おう」
「ですな、それでは」
「参る」
「いざ」
 幸村は三河口では慶次と闘った、この場でも槍を交える。互いに激しく槍を繰り出し合い攻防を繰り広げる。
 その二人を見てだ、双方の兵達が唸って言った。
「凄いのう、どちらも」
「まさに龍虎の争いじゃ」
「百合二百合しても決着がつかぬ」
「あの様な一騎打ちはそうは見られん」
「全くじゃ」  
 こうそれぞれ話すのだった。
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