第十四話:力を持つ者の責任
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誰かを……守れる?」
「ああ……ギャスパー、お前は俺なんかよりもよっぽどすごい奴だぞ?……普通は誰かを守れるって方しか見ないからな……俺みたいにな……」
「先輩は……いつ気づいたんですか……誰かを傷つけるって?」
俺はクウォーター骸殻になり槍を出してそれを見つめる
「いつ…か……他人の大切な物をたくさん壊してきた……自分の大切なものを守るためだからって、言い訳してこの槍で全部壊してきた」
「先輩………」
「それでも気づかなかった……いや、気づかないふりをしてたんだ……あの時の俺は覚悟も資格もなかった……」
「先輩がそんなことするようには見えません……」
ギャスパーが驚いた顔で見つめてくる……俺は自分のために平気で人の世界を壊してきたんだ
本当なら今ここに生きてるのもおこがましいくらいの奴なんだよ
「俺は大切な物のためなら平気で他人を傷つける奴さ……だからかな……大切な物をこの手で壊すはめになったのは……」
「っ!!?」
『兄さんの命で……橋を架ける』
あれは俺への天罰だったんだろうか?
それとも他人の世界を壊すクルスニク一族の呪いなのだろうか?
「自分の大切な物を壊して初めて気づいたんだ……自分が今まで何をしてきたのか……」
「ルドガー先輩……」
「ギャスパー……お前には俺みたいになって欲しくないんだ、自分の大切な物を傷つけて欲しくない」
「僕は……どうしたらいいんですか?」
どうしたら良いなんて俺が言える資格はない……
これはギャスパーが選ばないといけない選択なんだから
「これはお前自身が選ばないといけないんだ、このまま自分の力に怯えて、一生この部屋で閉じこもって過ごすのか…それとも誰かを傷つける覚悟を持って大切な物を守るか……ギャスパー・ヴラディ、これはお前だけの選択だ」
「僕だけの……選択……」
不安そうな表情を浮かべるギャスパー、まあ、いきなり選べって言われてもな
「俺は今日はもう帰るよ……答えは直ぐに出さなくていい、ただ後悔のない選択をしてくれ」
「………………」
「それとな――」
俯くギャスパーの頭をポンポンと叩く
「お前がどんな選択をしたとしても俺はお前の味方だ」
「え?」
「だから、安心しろ」
最後にもう一度頭を叩いて外に出る
「お休み、ギャスパー」
「………おやすみです、先輩……」
どうか後悔のない選択をしてくれ、俺の可愛い後輩
「……眠い……」
昨日はギャスパーと話していたこともありほとんど寝ることが出来なかったので
午前中の授業では何度も先生から注意を受けてしまった、そのせいで周りの女子から――
「昨日は
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