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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第四話
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それでも蛇たちは消えない。その数はいくばくか減ったような気がするが、しかし全滅とまではいかない。それだけでなく、奴らはオブジェクトの影から無限に増殖するのだ。オブジェクトの影を全て取り払っても、お互いの影からいつまでたっても出てくるだろう。

「どうしましょう……」

 弱気な表情を見せるハクナに、気丈に笑いかけてみせるコハク。

「大丈夫よ。きっと、なんとかなるから……」

 そう。何とかなるはずなのだ。セモンだって、ずっとそうやって戦ってきた。

 大丈夫。彼にできるなら、私にだってできる。

「ヤァァァァッ!!」

 そう信じて放つのは、《妖魔槍》最上位ソードスキル、《ネメシス・フラワー》。ありとあらゆる槍ソードスキルの総力を結集したそのソードスキルの連撃数は、長物にはあってしからざるべき二十八。アインクラッド第七十五層時点での《二刀流》最上位ソードスキルと言われた《ジ・イクリプス》の上を行く、コハクのもつ最強の技だ。

 だが、もっと先へ行かなくてはならない。もっと先へ。もっともっと。セモンのところまで。

「アァァァァァ―――――――っ!!」

 その時、ずっとずっと遠くの何処かで、歯車が一つ組み変わった。

 無数のソードスキルリスト。《妖魔槍》の項目に分類された、その最後の空白に、

 《バイオレット・ネメシス・ブロッサム》の名が、煌々と刻まれた。

 二十八連撃目を終えた《青乱》が、さらなる輝きを放つ。ソードスキルは、まだ終わっていなかった。



 ***



「……なぁガっさん」
「なんですか、カズ?」
「あんたは……どこまで強くなるんだ……?」

 カズは、目の前で繰り広げられる光景に、唯々絶句するしかなかった。

 突如出現した、無限に増殖する影の蛇たち。いくら攻撃しても倒しきれない彼らは、現在全く身動きが取れない状態にいた。

 それは、ハクガのスキルの能力。

 名を、《崩壊に回帰する水泡(オメガ・カタストロフ)》。あらゆるものを無へと還す、究極と言っていいスキル。蛇たちはこの水泡に取り込まれ、次々と存在を消滅させていった。もちろん、その増殖は止まらない。だが、増殖する端から、それらは水泡に取り込まれて消えていく。

 ただ、最大の問題は、増殖を続ける蛇たちのせいで、進むことができないでいる、という事だった。恐らくは他のメンバーたちも足止めを食らっているのだろうが、「足止めされている」という点に関しては自分たちも同じだった。早く全ての蛇が取り込まれてしまえばいいものを、最近では水泡を回避するようにもなってしまっている。

 なぜならば、この一方的な無力化が始まってから、もう二十分近くが経過しているのだから。

「さぁ?僕も自分の
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