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トワノクウ
トワノクウ
第十二夜 ゆきはつ三叉路(一)
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に完全に妖であると認定された状態にある。これを打破するには、背中の翼が何故くうに宿ったのかを探り当てねばならない。
 かといって、くう自身すら自覚のなかった肉体の異常を、閉鎖空間でどう探れと言うのだろうか。

 くうは今さらながらにふて腐れて畳に足を投げ出した。潤も潤だ。せめてこの異世界の基礎知識くらいは教えていけばいいものを。フォローがなっとらん。

「天の助けー、こいこーい」

 ってこいこいは花札でした、などと軽く涙目になっていると、唐突に背後の襖が開いた。

 ふり仰ぐと、今までにも何度か来た、覆面スタイルの神社関係者が立っていた。すわ尋問か、と呆れていると。

「このあまつき≠ナ天の助けを乞う辺り、恐れ知らずというか物知らずというか。どっちにせよすごい度胸だね」

 術者の口から出た声は、先刻、くうをこの窮地に追いやる一助となった男の声だった。



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