第四十三話 決戦前
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た究極のレプリロイドを造ろうと試みたの。でも…結局互いのデータが拒絶反応を起こし暴走した挙句誕生したのは、心を持たない破壊者だった…。結局その科学者はこのプロジェクトを断念し、2つのプログラムを2体のレプリロイドに分与したの…。悪を決して許さない強い正義の心と武人としての闘争心を兄に…、そして平和を愛する心を私に…」
ゼロ「っ!!」
その瞬間ゼロはアイリスの手にしたチップが何であるか悟っていた。
そしてアイリスが手にしているチップこそ本来1つのレプリロイドであった彼女の片割れ、カーネルのメインメモリーであろう。
ゼロ「アイリス…お前まさか……」
アイリス「…私は彼を許せない…。かと言って今の私では彼を憎む事も出来ない!!だから…だから私は!!」
そう叫ぶとアイリスは手にしたチップ…。
ディザイアに倒されたカーネルの残骸より拾い上げたデータチップを自らの体内に取り入れようとする。
1人の男を憎むために自らイレギュラーとなる事を決意したのだ。
しかし…。
ゼロ「止めろアイリス!!」
取り入れようとする寸前、アイリスの手からカーネルのチップを奪うゼロ。
アイリス「っ、返して…返してゼロ!!お願い…返して!!」
ゼロ「ここでお前をイレギュラーにして…あいつに殺されたりしたら俺はそれこそカーネルに顔向け出来なくなる!!」
ただでさえ、あの戦いでカーネルを侮辱しているゼロだ。
アイリスをイレギュラー化させ、彼女が殺されたりしたらそれこそカーネルに合わせる顔がなくなってしまう。
アイリス「でも…兄さんが…兄さんがいなくなった私にはもう……」
片割れを失ったアイリスにはもうこの喪失感をどうすることも出来ない。
レプリフォースでも自分は裏切り者に認定されている。
もう彼女の居場所はないのだ。
ゼロ「だったら此処にいろ」
アイリス「え…?」
ゼロ「居場所なら此処にあるだろう。お前は今回の事件でイレギュラーハンターに大きな貢献をした。それに過去のイレイズ事件もあって、殆どのハンターがお前に好意的だ。爺に頼めば、ハンターのオペレーターとして籍を置くことも出来るはずだ」
アイリス「ゼロ…」
ゼロ「俺に守らせてくれアイリス…カーネルの代わりに、お前を守らせてくれ」
懇願するように言うゼロ。
大事な物を失うのは絶対に嫌だからだ。
ゼロ「(もう大事な物を目の前で失うのはごめんだ…)」
脳裏を過ぎるのは過去の大戦で大破した後輩。
あの時の悲しみと苦しみをもう味わいたくなかった。
アイリス「…ありがとう……ゼロ………」
弱々しく言う彼女をゼロは優しく、出来るだけ優しく抱き留めた。
彼女の温もりは暖かく、そして悲しかった。
上層部からイレギュラ
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