第四十三話 決戦前
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性すら助けられない。
どうやら自分はどうしようもない臆病者のようだ。
彼女を失いたくない、奪われたくない一心で彼女を抱きしめた。
ルイン「エックス…?」
エックス「君は誰にも渡さない…」
どんな敵が来ようと負けるものか。
彼女は絶対に守る。
そのために今まで厳しい訓練に身を投じて来たのだ。
彼女を愛し、守りたいという気持ちに嘘はないから。
エックス「ルイン…俺は君が……」
その時、出撃命令が出された。
イレギュラーハンターは直ちにシャトルに乗り込んで、デスフラワーに迎えとのことだ。
エックスは上層部のタイミングの悪さに舌打ちしたくなったが、表情には出さなかった。
エックス「行こう」
ルイン「うん」
エックスとルインは格納庫に向かい、シャトルに乗り込んだ。
エックスとルインがシャトルに向かう途中、ゼロの治療も完了し、アイリスがいるであろう自分の部屋に向かう。
部屋に入ると、涙で目を腫らしながら何かのチップを見つめるアイリスの姿があった。
ゼロ「アイリス…」
アイリス「ゼロ…大丈夫?」
ゼロ「ああ…俺なら大丈夫だ。そんなヤワじゃない」
罪悪感に満ちた声で言うゼロにアイリスも悲しげに笑う。
ゼロ「すまないアイリス…」
アイリス「え…?」
突然の謝罪に目を見開くアイリスに構わず、言葉を紡ぐ。
ゼロ「俺があの時、何か行動を移していればカーネルは死ななかったかもしれない。」
ディザイアに向けてセイバーでもロッドでもバスターでもいい。
何か攻撃していたらカーネルは死なずに済んだかもしれない。
アイリス「ゼロのせいじゃないわ!!悪いのは…悪い…のは…」
カーネルを殺したディザイアの名前を言おうとしたが、今この時にもディザイアのことで悩んでいる親友が脳裏を過ぎる。
ゼロ「俺が…俺がカーネルを殺したようなもんだ…」
アイリス「違う!!」
ゼロ「俺があの時、カーネルに負けていれば…!!」
アイリス「止めて!!」
アイリスの悲痛な叫びにゼロはハッとなり、アイリスを見遣ると彼女の顔は再び涙で濡れていた。
アイリス「そんなこと言わないで…兄さんが死んで…あなたまでいなくなったら…私はどうすればいいの…?」
ゼロ「…すまない」
表情を暗くさせながらゼロは謝罪した。
アイリス「ゼロ…聞いてくれる?」
ゼロ「…?」
アイリス「私と兄さんのことを…」
ゼロ「…ああ」
アイリス「私達を造った科学者はかつて世界を救った1人の英雄…強さと優しさを持っ
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