マクロスF
0697話
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いにくい事情があるとでも判断したのか、オズマはそれ以上その件について話すでもなく、大人しく肉まんを口へと運ぶ。
そのまま食い切ったところで、ポツリと口を開く。
「ミシェルやルカの友達にアルトってのがいただろう? ギリアムのVF-25Fを操縦していた奴」
「ああ、知っている。シェリルのコンサートで一緒にアクロバット飛行をしたし、お前が怪我をした時にお前の妹と一緒に待避壕に閉じ込められていたからな」
「……言っておくが、ランカにちょっかいを出すのは許さんぞ。ランカと付き合いたいなら、せめて今付き合っている複数の女との関係をきちんと精算してからにして貰う」
「別にそんな気は無いから安心しろ」
「お前っ、ランカのどこが不満だってんだ!?」
「落ち着け! お前は俺とランカとくっつけたいのか、くっつけたくないのか、どっちなんだよ」
「勿論くっつけたくないに決まってる。お前みたいなのとくっつけば不幸になるのは目に見えているからな」
「お前、それこそ俺の恋人達に謝れよ……」
オズマの言い分に思わず突っ込む。
「まぁ、それはそれとしてだ。その、アルトって奴に言われたんだよ。バジュラの件やその他諸々の事を隠すなってな。自分なら例え傷ついてでも真実が知りたいって」
「……なるほど。まぁ、アルトなら言いそうだよな」
あの直情径行と言ってもいい性格のアルトだ。確かにどんな隠し事であろうとも、知らないよりは知っている方がいいと言うだろう。一見すると単純馬鹿にしか見えないが、それこそがアルトの長所の1つでもある。
「で、どうするんだ? アルトにバジュラの件を教えるのか?」
それは即ち、アルトをS.M.Sに引き込むという事に他ならない。勿論美星学園でミシェルに次ぐ技量を持っているアルトだ。多少の訓練は必要だろうが、足手纏いになるような事は無いだろう。
と言うか、もしアルトがS.M.Sに入ってくれば俺の後輩になるのか。パシリでもさせてみるかね。
「いや、取りあえず24時間の猶予をやった。1日経って、それでもまだ決意が変わらないようなら引き入れようと思う」
「24時間……ああ、そう言えば明日は」
ギリアムの葬式だったな。そう告げようとして、言葉を途切る。明日行われるのは葬式と呼べる程に立派なものではない。閉じた生態系であるフロンティア船団で有機物として再利用される為の糧となる、といった方が正しいだろう。
だが、最後まで言わずとも俺の言いたいことは分かったのか、オズマは小さく頷く。
「ああ、明日の葬式が終わったら奴の返事を聞く事になるだろうな」
敢えて葬式を言い切った辺り、オズマの……いや、S.M.SのVFパイロットしての矜持なのだろう。
そんな表情を浮かべているオズマに、ふと思いついて口を開
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