マクロスF
0697話
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臭を感じるような……まぁ、とにかく。
「さて、妙な騒ぎが起きないといいけどな」
「ん? どうかしたかい?」
洋菓子の詰め合わせを受け取ったままTVに視線を向けている俺に、店主が興味が向いたのかそう尋ねてくる。
「いや、大統領がTVに映ってたみたいなんでな。ちょっとそれを見ていただけだ」
「ああ、グラス大統領か。性格も穏やかで、それなりに有能だとは思うんだけどねぇ。任期中にまさかこんな事になるとは思わなかったよ」
「有能なのか?」
「そりゃそうさ。これまでにも改革派と保守派の間を取り持つ中道派の政治家として活動してきた経歴を持っているし、実際、他の我の強い政治家達を取り纏めてよくやっていると思うよ」
「……へぇ」
意外や意外。小物臭がするキノコを侍らせているのを見る限り無能な操り人形だとばかり思ってたんだが、店主の話を聞く限りでは一応それなりに有能な人物ではあるらしい。
「ん? 何だい、兄ちゃんは知らないのか? 学生だとは言っても政治には興味を持った方がいいぞ。学校の勉強はだな……」
「ああ、いや。俺はつい最近フロンティア船団に来たばかりでな。この船団についてはあまり詳しくないんだよ」
「ほう? じゃあ学生じゃなくて社会人かい? その年齢で随分と立派だな。なら、ついでにこれも教えておこうか。あのグラス大統領の1人娘さんは、大学を首席で卒業後に準ミス・マクロスにも選ばれた別嬪さんでな。今は確か軍人になって大統領を支えているんだとか何とか」
グラス大統領、1人娘、準ミス・マクロス、軍人。これらの事が瞬時に脳裏を過ぎり、すぐにそれが誰を示しているのかを理解する。昨日俺とアルトを救助に来たキャサリン・グラス中尉だろう。
偶然の一致かと思いきや、本当に大統領の1人娘だったとはな。
「そうか、詳しい情報を感謝する。さて俺はそろそろ見舞いに行かなきゃいけないからこれで失礼するよ」
「おう、うちのクッキーを食べれば怪我人でも病人でもすぐに治るからな。安心しろ」
がっはっはと笑う店主に声を掛けられつつ、洋菓子店を出て軍事病院へと向かう。幸い電車の類は既に復興済みであり、特に足に困るというような事も無かった。……まぁ、最悪影のゲートって手段もあるんだが。
ああ、でもフロンティア船団ともなれば防犯カメラとか普通にあるから、その辺に決定的瞬間を映されないように注意しないといけないな。
そんな風に思いつつ、電車を使って軍事病院へと到着。受付で見舞いの手続きをして上層部の階にあるオズマの病室へと入っていく。病室の中では身体中に包帯を巻いたオズマがベッドの上で寝転がりながら雑誌を読んでおり、自分で機体を操縦出来ない程の怪我をしたばかりとは思えない程だ。どうやら傷は予想していたよりも軽いらしい。
「よ、
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