暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
71話:The beginning of StrikerS side Lightning
[6/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
。
昔の私では……里から追い出されて、一人で旅を続けていた頃の私では、考えられないぐらい楽しい時間だった。
でも、そう言った時間は瞬く間に過ぎていくというのは、以前にも感じたことがある。
そして今日も、それを味わった。
もっと長く居たいのに時間はどんどん過ぎていって、もう帰らなきゃいけない時間が来てしまう。それが悲しくて、今日も少し泣いてしまった。
アルフはまた来ればいいって言ってくれて、男の人も笑っていた。
でも私には―――居場所がない。
いつも各地を転々としていた私には、また水族館に来るなんてことは…まずない。きっとまた、私はここを離れることになる。
そう思ってそれを口にすると、二人は目を丸くして顔を見合わせた。
そして、私と同じ目線に合わせてから、頭に手を置いた。その手は、かつて私に置かれたあの大きな手と、同じ感じがした。
「お前なぁ…居場所なんていつだって、何処でだって作れるぞ?」
「で、でも私は…!」
「お前の持つ力の事は、フェイトから聞いて知ってるよ」
え?と驚くと、男の人は笑った。
「確かに、力っていうのは時として人を傷つけてしまう事もある。俺もそういう時があった」
私の頭の中には、フリードが暴走してしまって味方ごと攻撃してしまう光景だった。
でも、とさらに続けて男の人は言う。
「その力で、誰かを守る事もできる。それに人だけじゃなく、居場所だって守れる」
「っ…!」
「ようは力っていうのは、それを持つ人によってどうにでもなってしまうっていうことだ」
お前はどうだ?と男の人は聞いてくる。私は以前の事があった所為で、返事をすることができなかった。
「まぁ今は答えられないだろうな。でも、いつかその答えをお前は見つけなくちゃいけない。力を持つ者として、な」
「力を…持つ者…」
「そう。それにな、誰かを傷つけたくらいでなくなる居場所なんか、本当の意味での『居場所』じゃないよ」
そう言って男の人は立ち上がった。そして背中を向けて、背中越しに語り掛けてくる。
「色んな人と出会って、色んな話をして。仲良くなって友人になったり、時には喧嘩をして、でも仲直りもしたり。そんな色んな事と向き合っていると……『居場所』なんてすぐにできるもんだ」
「む、難しいですね…」
「そうか?まぁそう思うんだったら、そこ止まりだな。できると思わなきゃ、できるものもできないさ」
はっはっは、なんて笑い声を上げながら、水族館の出口に向かっていく。私はその後を少し早歩きで追った。
「自分で求めなきゃ、『居場所』はできない。お前さんは次にどこへ行って、どうしたい?」
その日あの男の人に聞かれた最後の疑問は、フェイトさんが言
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ