暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
71話:The beginning of StrikerS side Lightning
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ぐに飛んでいた私の竜―――フリードが私の傍までやってきて、呼びかけてくれた。


「だ、大丈夫だから―――きゃっ!」


私は立ち上がろうとすると、今度は後ろで爆発が起きた。それの所為でできた爆風に煽られて、私は大きく吹き飛んだ。
今のは自然の爆発じゃない。何もない林で爆発するなんて、普通じゃあり得ない。

だからこれはあの人≠フ所為だって事は、すぐにわかった。


「いくら逃げても無駄だって、言ってるのにね〜?」


後ろから声が聞こえて、勢いよく振り返る。そこにいたのは、赤い水晶のような頭部を持ち、同じような水晶を先端に付ける杖を持つ―――『異形』の存在。
それが……宙に浮いて、木々の合間をすり抜けてやってくるのだ。どうも魔法を使っている様子もない。


「今回の任務が『ガキを連れてくる事』とはな…」

「うっ…うぅ…!」


ふわりと浮いて私の近くまでやってくる『異形』。それを見た私は正面を向いたまま後ずさりをする。
だけどすぐに何かが背中に当たる。勿論ここは林の中。振り返らずとも、それが木である事がわかるのは簡単だ。


「さて、そろそろ鬼ごっこも終わりにしようか…」


そう言って『異形』が杖を振るうと、私の体がふわりと浮いた。抵抗しても手足は空を切るだけ、状況は何も変わらない。


「キュクル〜!」
「むっ…?」


フリードも私を助けようと『異形』に突っ込むけど、それもあまり意味がないようで、逆にフリードも私と同じように空中の自由を奪われた。


「竜召喚っていうぐらいだから、竜も必要か?任務内容にはなかったが…」


まぁいいか、と呟いて『異形』は踵を返した。いや、宙に浮いてるから踵を返す、とはちょっと違うかもしれないけど……

そんな余計な事を考えるより、この状況をなんとかしなきゃ。
そう思って抵抗しても、さっきと状況は変わらない。私の抵抗は、ただの無駄なあがきだ。

い、嫌だ!こんなところで…私は…!
それでも私は抵抗を続けた。無駄と分かっていても、やっぱりしてしまう。

でも―――この抵抗は、本当には無駄じゃなかった。
視界の端から、何か勢いよく飛んでくる物が見えた。


「だぁらぁぁぁ!!」
「ぬぉっ!?」


その勢いよく飛んできた物が、『異形』に衝突した。その勢いに『異形』は耐える事なく、大きく吹き飛んだ。

その時、ふと体が重くなるのを感じた瞬間、私は落下し始めていた。おそらく、あの『異形』が遠ざかったからじゃないかな?
でも重力に逆らえないという事は、同時に地面に落下するという事。私はその衝撃に備える為に、体をこわばらせて目を瞑った。

だけど次に来た衝撃は、地面に当たった時のそれじゃなかった。

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