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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹の出会い
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鬼道本家のある山、そこに様々な分家が集まっていた。
本家に集まってきた人間は、大抵が三人一組。その家の当主とその妻ないし夫。そして長男または長女だ。
将来自分の後を継ぐ可能性が最も高い子を連れてきて、その場の空気になじませることと、お互いの顔見せが目的となっている。
親同士は自分の子がどれだけのことができるようになったかを自慢しあい、子供たちは一か所に集められる。
そして、お互いの実力を示すために手合わせをするのが恒例行事だった。
この時、自信満々なもの同士がぶつかりどちらかのプライドが傷つくこともあれば、弱々しそうなのに負けてプライドが砕けることもある。それもまた、恒例行事だった。
・・・そう、だった(・・)

そんな恒例行事は、今年に限って行われていない。子供たちがいなかったわけではなく、むしろ自信満々な、こういった力試しが大好きな連中が集まっていたし、歳も中学生以上のまさに成長が著しい時期だ。
だからこそ、昨年のリベンジに燃えるものも多くいたし、負けるもんかというものもまた多くいたのだが・・・そのどちらにも属していないものが一人だけいた。

この行事に参加するのは小学生になってから。だからこそ、今年から参加するという人がいてもおかしくはなく、むしろその年の一番の行事と言ってもいいのが、その人物の参加だった。

この手合わせに対しては無礼講。本家の跡取りであろうと本気で叩きのめしても何もお咎めがない。そんなイベントに今年から本家の跡取り息子が参加するといわれれば、それは一番のイベントとなって当然だろう。
そして予定通り、本家の跡取り息子はそれに参加して・・・

「ねえねえ、もうこれでおしまいなの?」

あどけない笑顔で、全員が倒れている中央に立っていた。
何が起こったのか、それは誰の目から見ても明らかだ。

初めて参加した本家の息子が、たった一人で全員を倒して見せた。ただの一撃も喰らわず、逃げることもしないで。それはその場にいたすべての分家の大人を驚愕させた。

「ねえ、父ちゃん。聞いてたのと違うよ?全然つまんない。」

頬を膨らませながらそう言っている姿はとても子供らしく、見る者を和ませそうであったが、いかんせん状況が状況である。

「そう言うなら、少しは手加減をだな・・・」
「だって、あの人たちが自信満々に『本気でやってきていい』っていうんだもん・・・」

まさか彼らも、六歳の子供の実力が自分たちよりも上だとは思わなかったのだろう。この時点で、彼はもう基礎的な陰陽術をマスターし、一族が作ったオリジナルの術も一部、さらには自分でオリジナルの術を編み出し、それだけでは止まらず鬼道流の体術までマスターしているとは、誰が思ったであろうか。

「せめて、体術とオリジナルの術式をなしにしたら楽し
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