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【一発ネタ】レイフォンに憑依したオリ主が上から目線で原作をぶっ壊すお話
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に陛下がこの都市の孤児達を見殺しにした事実を(わたくし)は忘れておりません」とも。ちなみにその際、一定の賢明さを備えるレイフォンは『メイファー・シュタット事件(リーリン・マーフェスの件)』には触れずにおいた。

 彼がアルシェイラに対して挑発的な言辞をとったことにも理由がある。

 1年前にグレンダンで起こった食糧危機。その時レイフォン・アルセイフは、『原作のレイフォン』が地位や権力をといったものを差し置いて金への執着を抱くようになった動機(わけ)を知った。つまり全ての原因が『彼の幼さ』にあったわけではなかったということを。食料危機において『彼』が目撃し、その身に刻み付けられたのは、資本主義(弱肉強食)の酷薄な論理、構造的な暴力の痕跡だったのである。

 その事実を、自身の体験を通じてレイフォンは理解するに至った。

 食料が危機的に決定的に不足したのならば、無から有を生み出す魔法を使わぬ限りは結局、厳正な管理と公平な分配によって乗り切るしかない。これは自然的に導き出される回答であろう。そして、確かにグレンダンでは政府による一元的な食糧の管理と分配が実施された。ただし、それには頭に"不平等な"という余計な言葉が付属していた。政府が安全保障(セクリタス)を建前に武芸者と一般市民の配給量に格差を設けたために……。

 上意下達。哲人皇帝アウレリウスが古代ローマ市民の敬慕の対象とはなっても規範にはならなかったように、物事の常として良き事は中々伝播しないものだが、その逆のことであればいっそ喜劇的と呼べるほどに浸透は早い。政府による社会資本の傾斜配分を『政府による差別の容認』と理解した――それがあながち間違いでもないと言う点にアルシェイラ治世下のグレンダンの悲劇がある――者達は少なからず存在した。

 彼らによる食料の横流し・転売は次第に公然とまかり通るようになり、最終的にはより多くの食料を手にした武芸者と比較的裕福な中間所得層まで巻き込んで大々的に市場(ブラック・マーケット)が形成される。全てのツケを社会的弱者――概してそれは孤児や未亡人をはじめとする低所得者層である――へ押し付ける形で。貧しき社会の宿痾――富める者はますます肥え、貧しき者は痩せ衰える。危機的状況下にあってこそ、人は自己の利益を最大化せしめんとして一層狂乱を加速させるのだから。

 あるいは、かつての世界で日本国憲法が平等や公平を謳った理由もここにあるのだろう。そこに存在したのは「平等や公平は素晴らしいものだから」などという空疎な理由ではなく、単に不平等と不公平が惨禍を招くと言う事実を、戦争の経緯から、文字通り死ぬほど深く理解していたというだけの話だ。ケインズが構築したブレトン・ウッズ体制とそれによってもたらされたパクス・アメリカーナの核心もそこにあった。故
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