第三十三話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
や。もうちょい掘るで」
霞の言葉に俺はシャベルで地面を掘る。
シャベルは木で出来ているけど、先には鉄を付けている。
「けど穴なんか掘ってどないするんや?」
「落とし穴に決まってるやろ」
霞の言葉に俺はそう答えた。
シ水関から約百メートル前に特殊隊用の砦と柵が作られている。
今、落とし穴が作られているのはその砦からまた五十メートル前の地点だ。
「掘るのはええけど、どんくらい掘るんや?」
「ん〜、もうちょいやな。皆ももう少し頑張ってくれ」
『ハッ!!』
落とし穴は深さは約十二メートル程で長さは約十メートル程。
幅は両端にある険しい崖まで。
三千人態勢で作っている。
また、落とし穴だけでは敵は不憫だと思うので落とし穴には先を尖らせた木の棒を設置している。
「やる事がえげつないな……」
「勝てばええんや霞」
まぁ恋姫の世界だと邪道だろうな。
まぁ俺の世界では普通だろうな。
日露戦争でのロシア軍が作った落とし穴とかが有名だろう。
「後は泥水を付けた布を被せて、少量の土をかけたら終わりだな」
もう皆は土を掘るのを止めて木の棒を設置している。
俺も手伝うか。
一方、反董卓・袁術連合軍では軍儀をしていた。
「ですから統率者は強く、美しく、門地の高い、三国一の名家出身が宜しいですわッ!!」
袁紹は自分が指揮をしたくて、ずっとこう言い続けていた。
『………はぁ……』
集まった諸侯達は溜め息を吐いた。
「……そこのブ男、何かあの馬鹿に言ってやりなさい」
曹操は嫌そうに北郷に言った。
「え……な、ならさ、統率者は檄文を書いた袁紹がやったらいいんじゃないかな?」
「……そうね……」
孫策は我関せずといった雰囲気である。
「あら? なら満場一致でこの袁本初がこの連合軍の指揮を取りますわ♪」
かなり嬉しそうな袁紹である。
「それで、方針は?」
曹操が言う。
「あら、やる事は一つですわ。雄々しく、勇ましく、華麗に進軍、ですわッ!!! オーホッホッホッ!!」
『……………(不安だ)』
諸侯達はそう感じた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ