アカデミー編
新クラス
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あげることを決意し、アカデミーの教育課程を再編成。
忍術が使えなくても忍びになれる、体術を中心としたクラス「体術クラス」を設立した。
この体術クラスの設立の最大の長所は、ナルトのように人体の一部が破損し印が組めない。もしくは、先天性的にチャクラが練りにくい体質である存在でも、忍びになることが出来るようになったという点である。
最近まで設立の件では争い合っていたが、火影に直談判したりした甲斐があったのか。ナルトが入学するぎりぎりに可決してくれて、本当によかったと安心したのを思い出しながら、カトナはナルトの頭を撫でる。
優しいその手つきに、ふにゃりと笑みを崩したナルトは、カトナの後ろで事態が理解しきれず、困惑して固まっているシカマルを見つけ、青い瞳を細めた。
カトナに話しかけていた男。困惑しか浮かんでいないが、それはナルトがいきなり登場したからで、今までカトナに対して、何か文句でも言っていたのかもしれない。
その予想に、知らず知らずのうちに、ナルトの瞳は鋭く細められる。
殺気すらこめていそうな視線に、思わずシカマルが冷や汗を流したとき、
「誰だってば?」
「…奈良シカマル。将棋、相手してくれてる」
「ああ!! お前が、シカマルってば! 俺、うずまきナルト! よろしくってば!!」
ころりと180度意見を変更させたナルトは、先ほどの剣呑な雰囲気を一体どこにやったというような笑顔で、シカマルの肩をたたく。
若干……どころか、大幅に布をあまらせた、袖だけが異様に長い服の所為か。びしびしっと布が跳ね返ってシカマルの頭を叩くが、彼が真っ先に思ったのは、それに対してでの文句でもなんでもなく…。
態度、ちがいすぎんだろ!!
という、少しばかり論点のずれたツッコミであった。
一気に親し気になったナルトに困惑したシカマルは、ふと、うずまきという名前に気が付き、ふたりを見比べる。
かたや、金髪、青目、騒がしい性格。かたや、赤髪、赤目、内気で大人しい性格。
似てねぇ……と思いながらも、シカマルは念のために尋ねる。
「先輩の弟?」
「そうだってば!!」
「…双子の、弟」
「へー。そんなのいたんだ」
気の抜けた声をあげながらも、手を出したシカマルに、一瞬、戸惑ったようにナルトが二人の顔を見くらべる。カトナもまた、困ったようにナルトを見つめ返した。
妙な沈黙が、その場に落ちる。
なにか悪いことしたかと、思わず不安になって、シカマルが眉を顰める。
カトナが何度か瞬きをし、やがていいよと弟に告げる。
姉に許可をもらったナルトは少しだけ戸惑いながらも、シカマルの手に己の手を重ねる。
無機質な、人肌のぬくもりでは決してないその手に、シカマルの聡明な頭脳はすぐさま結論を下す。
義手。
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