アカデミー編
新クラス
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トを迎えに行こうと立ち上がったカトナの背中に声がかかる。
「あれ、先輩、もしかして留年スか?」
「…奈良」
びくりと大げさに体を震わせたカトナは、恐る恐ると言った様子で後ろを振り向き。声をかけてきた相手が、以前から度々打ち合っている将棋仲間の奈良シカマルだと気が付いて、肩の力を抜いた。
先程から自分に突き刺さる視線が、八割がた女子の嫉妬と、二割の本当に男子なのかという疑いであったのだが、カトナは九尾として睨み付けられていると勘違いし、自分がナルトに迷惑をかけているのではないかと心配していたのだ。
そうやって気を張り詰めていたところに、知り合いから声をかけられたことで、不覚にも安心してしまう。
ほっと息を吐き出してから、安堵した自分に気が付き、慌てて気を引き締めなおす。
最近は油断が多いと自分をいさめるカトナに、どうしたもんかなーと思いつつ、シカマルは安心させようと砕けた調子で話す。
「シカマルでいいっすよー」
間延びしたその声に、カトナは少しだけ迷ったようにシカマルの顔色をうかがっていた。が、やがて小さくこくりと頷くと、困ったように辺りを見まわす。
サスケの姿でも探しているのだろうかと思っていたシカマルの前に、突然、金色が走る。
「カトナ!」
ぎゅうっとカトナに抱き着いたナルトは、周りから一気に集まった視線もなんのその、いつも通りの大声でカトナの名前を呼ぶ。カトナはそんなナルトを見て、嬉しそうに笑う。
「…ナルト、遅かった、ね」
「カトナとクラスが違うなんて聞いてないってばよー!! 俺ってば、カトナと一緒に授業受ける気満々だったってばよ!!」
「ちゃんと、聞いて、って、いった。ナルトは、体術クラスに、行くことになる、って」
体術クラス。
今年から新たに編成された、体術を中心とする忍者のクラスである。
もともと、忍びである以上、忍者は最低限の忍術を使わなければいけない、使えなければいけない。最低限の忍術を使えない忍を合格させてはいけないのが、里の掟であった。
しかし、去年合格したロック・リーの存在により、その里の掟は急速に変わることとなった。
近年、忍術はあまりうまく使えないが、体術はほかの忍びよりも優れているアカデミー生は少なくはなかった。里の掟である以上、そういう人物は忍びとしての合格試験が受からない限り落とされて、日の目を見ることが無かった。
しかし、ある一人の男が火影に直談判し、「体術クラス」という新たなクラスを作り、忍術が使えない忍びでも合格させるべきだと進言したのである。
その男こそ、ロック・リーの師匠であり、現十班の担当教師ガイであった。
ガイの発言。そして、ロック・リーなどの優秀な生徒の才能を潰す教育課程に、ついに火影は重い腰を
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