アカデミー編
新クラス
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える、か細い声。
男子に変化していてもこの状態なのだから、カトナを見てしまうのは、まぁ、男としては仕方がないことではあった。だが、男たちのそんな視線をサスケが許すはずはなく、カトナを見る彼らを牽制するように周囲を一瞥する。
その瞬間、さっと逸らされた視線の多さに、サスケは内心で舌を打った。
誰がお前らなんかにこいつを渡すかと、内心で対抗意識を燃やすサスケに気が付かないカトナは、小さくサスケの袖をつまんで、こっそりと分からないところを尋ねる。
「これ、どういう意味?」
カトナはサスケの手元を覗き込んでから、彼の顔を見上げた。
一気に二人の距離が近くなる。
惚れた女の顔が間近にあることで、サスケが内心悶絶する。
思わず男子が身をのり出した。
驚愕した女子は嫉妬の視線を更に強めた。
特にひときわ激しい反応をしたのは、サスケの後方に座っていたサクラだ。
きぃーと内心でハンカチを噛みしめつつも、二人の真後ろで身悶える。
そんな風にクラス全体に衝撃を与えた当の本人であるカトナといえば、のんきに黒板を見つめていた。
新任の担当教師はまだきていない。おそらくだが、新任は海野イルカという教師に任されるのだろう。確か彼は、両親を九尾に殺されたはずだから、任せるかどうかを判断しているのかもしれない。
どちらにしても、カトナにとっては、要注意の人物だ。
まぁ、海野イルカよりも、今壇上で立っているミズキの方がよほど危険だろう。
ちらりと、新しいクラスになってはしゃいでいる生徒たちに、時間割を配っている男を見る。
カトナを見る目は嫌悪に満ちているくせに、それっぽい声音で優しい言葉をかけてくるのだから、きっと火影に対してごますりでもしているのだろう。
嫌ってくれた方が対処しやすくて楽なのに。
そう思いつつ、教科書を閉じる。
新学年になって最初の日だということもあるのだろう。早々に授業が終わった。
周囲もがやがやと騒ぎだし、次々に席を立っていく。カトナもサスケ
「…サスケ、かえろっか」
「先に彼奴と一緒に帰っとけ。お前の教科書を貰いに行ってくる」
「別にいいよ。問題ないし」
「馬鹿か、どう考えてもあるだろ」
首をかしげたカトナの頭をはたいた後、サスケはミズキの後を追う。
……どう言いわけをするつもりなんだろうか。カトナの分だなんて言えば、その時点で配布されなくなるだろうが。紛失したというのは、サスケの評価が下がるだろう。…あんまり、サスケに迷惑がかからないといいなぁ。
そう思いながらも、少しだけ緩んだ頬を伸ばす。
サスケに優しくされるとこうなってしまうことが多い。自分は忍びだから、強く自制しないといけないのに。
そうやっていつもの無表情に顔を整え、ナル
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