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転生とらぶる
マクロスF
0696話
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で、先程のグレイスの様子を見る限りでは、見破られてはいないのだろう。

「それで……」

 軍人の女が何かを言い掛けたその時、腰にある通信機が着信を知らせるピピピピ、という音が鳴り響く。
 一瞬迷ったように腰と俺の方へと視線を向けて来る相手に、小さく肩を竦めて通信に出るように促す。

「失礼します。……はい、こちらは無事にシェリル・ノームの救出を完了しました。いえ、はい、はい。勿論全員怪我はありませんのでご安心を。……え? オズマ・リー少佐が負傷!?」
「何!?」

 目の前の女の口から出て来た言葉に、思わず問い返す。
 オズマはS.M.Sの中でも最もVFの操縦技術に長けた男だ。そのオズマが負傷? 当然その相手はバジュラで、特に俺達を襲おうとした赤い奴が原因で間違いは無いだろうが……
 そうなると、恐らく俺達が待避壕に飛び込んだ後の出来事か。……待て。今の話……
 ふとオズマが妹に関してはパイロットをやっているのを秘密にしていたという話を思い出して、ランカの方へと視線を向ける。

「えっ!?」

 信じられない話を聞いた、とばかりに驚愕の表情を浮かべるランカだったが、そこに更に運の悪い事態が重なる。ここが展望ラウンジで、船団の外の様子が見えるという場所だったのも災いしたのだろう。俺達の視線の先では、バトロイド形態のRVF-25とVF-25Gがファイター形態のVF-25Sを抱えながら……つまりは、ルカとミハエルがオズマを抱えながら飛んでいる光景だった。しかも、コックピットに乗っているオズマの体調を考慮してなのか、ファイターは上下逆に……展望ドームにいる俺達からコックピットの中が見えるような状態で運んでいたのだ。
 俺の位置からは、オズマのパイロットスーツに血が染みついているのがしっかりと確認出来、それは妹のランカも同じだったのだろう。

「オズマ……」

 何故か軍人の女もまたショックを受けたように呟いているが、この女もオズマと何か関係があるのか? その割にはランカは初対面のようだったが。

「きゃ、きゃああああっ! お兄ちゃん、お兄ちゃーんっ!」

 突然ランカが悲鳴を上げ、運ばれていくオズマの機体を追いかけるが、ここは展望ドームだ。当然宇宙を移動しているミハエルやルカ達に追いつける筈も無く、壁に動きを止められる。

「何で怪我をしてるの!? パイロットはもうやめたって言ったじゃない! もう絶対にあたしを1人にしないって……危ない事はしないって約束したのに! どうして、どうしてこんな事するの!? 私ちゃんとあの事内緒にしてるよ! なのに、何で……何で……嫌ぁぁぁぁっ!」

 その悲鳴と共に、気を失って地面へと倒れ込む寸前でアルトが何とか受け止める事に成功する。

「あの子、オズマの……」
「ど
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