『静止した世界』の片鱗
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
子を窺っていたのは……耕太の事務所にいた女性だった。
そして、女性はその場を静かに去った。
「ば、馬鹿な!?お、お前、な、何をした!」
「…………死に行く貴方に、教える事なんてありません。」
そう言い残し、カナは去っていった。
↓
↓
↓
↓
↓
《小山田霊能事務所》
「そうですか……。カナちゃん、ついに止めたんだ。」
「……はい。」
「わざわざ、見に行ってもらってすみません。夜雀さん。」
「……構いません。私にとっても、カナは可愛い妹ですから。」
「……そうですか。夜雀さん、よろしければ、お供してもらってもいいですか?」
「……どこかに、お出掛けでも?」
「奴良組の本家です。」
↓
↓
↓
↓
↓
《奴良組・本家》
出入りから帰ってきたリクオ達の様子が、明らかにおかしかった。
「おい、お前ら。どうした?」
「親父……。」
『二代目……。』
「なんだ、お前ら。旧鼠はどした?」
「実は……。」
奴良組・突撃隊の黒田坊が、今まで起こった事を話した。
「……そうか。」
鯉伴はそうこぼした。
無理もない。
旧鼠を葬ったのは、リクオではなくカナだったから。
(しかし……“瞬時に移動”、“いつの間にか、殺られている”、一体……どういう事なんだ……。)
「ごめんください!」
『……?』
真夜中の来客……奴良組総員が頭を傾げた。
数分後、若菜がパタパタと駆け足で現れた。
「若菜、どした?」
「鯉伴さんに、お客さんだよ。」
「俺に……?」
↓
↓
↓
↓
↓
鯉伴が玄関に向かうと、耕太と手土産を持った夜雀の姿があった。
「すみません、夜分遅くに。私は〜「『近畿妖怪任侠総元締』小山田組・組長の小山田耕太、だよな。」……やはり、貴方には分かってしまいましたか。」
「あぁ。しかし、驚いたぜ。お前が、カナちゃんと顔見知りだったとはな。あっ、この話、リクオから聞いたから。」
「……カナちゃんには、全てを話した上に、五分五分の盃を交わしましたから。」
「お前が、五分五分の盃を!?」
「……そんなに、驚きます?」
「こっちの世界じゃお前は滅多に、盃を交わそうとしない奴って有名な話だからな。……それより、今日は何の用だ……?」
「なに。恐らく、そちらでは、カナちゃんの事が話題になっているのではないかと思い、貴方に答えを教えに来ました。」
「あぁ……そうだ。で、カナちゃんは一体、何をした……?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ