縋る者と応える者
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のお兄さんを探しに行こうか?もしかしたら意外と近くにいるのかもしれないよ?」
「ほんとに…?一緒に探してくれるの…?」
「あぁ、でも先ずは君のお兄さんの事を知らなくちゃ探しにも行けないから、一緒に探しに行くのは明日でも良いかな?」
「うん!」
可能ならば、叶えてあげたい…無理は承知の上で先輩達に相談しよう、もしかしたら良い案を思いつくかもしれない
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「…死者との面会は今の貴方はおろか、私の力でも無理な話だわ」
「…やっぱり、そうですよね」
「お亡くなりになった方に会うには何かしらの許可を得なくはなりませんから〜、その許可もそれ相応の方では無いと話を聞いても貰えません〜…」
「お気持ちは痛い程わかりますが…杏達にも出来る事と出来ない事があります…」
「幸生君…今からでも遅くはないから、彼女に謝りに行こう?僕もついていくから…」
「謝りに行くって…何て言えば良いんだよ…君のお兄さんは死んだからもう会えないってそう言うのか?…俺にはそんな酷な事は出来ないよ…」
彼女の両親も、そうだったのだろうだからこそ兄の死を告げれずに彼女は知らずに帰らないという言葉だけを受け彼女は今も待っている
「…時が解決してくれる事もあるわ」
「そんな!」
「無理な約束をして…貴方は彼女に叶いもしない希望の光を見させたのよ?事実を告げる以上に残酷な事をしていることに気付かないの?」
「…俺だって分かってはいます…無理な話だって」
「ならどうして?…同情なら、おやめなさい」
「…俺も、あの娘と同じ気持ちでしたから」
「幸生…貴方…」
俺の両親は俺が幼い頃に事故で亡くなっていた、亡くなっていたというのは俺が小学校を卒業した際に身元引受人であった祖父母から詳細な話を聞いたからだ、まだ幼く泣き虫だった俺には両親の死を告げられなかったと謝罪されたのを覚えている
俺も彼女と同じく帰らない人の帰りを待った、あやふやな記憶だが優しく接してくれる祖父母に両親の帰りはまだか、何処へ行ったのか聞いた様な気もする
「あの娘は…多分お兄さんの死も何処かで感づいているんだと思います、だけどそれを受け入れたくは無いから…」
「…幸生、貴方はどうしたいの?」
「会わせてあげることが無理なら、あの娘の受け入れられる様な状況を作った上で、きちんと真実を受け入れさせてあげたいです」
「貴方のお兄さんは死んだのだと…」
「突き放したり、押し付けたりするんじゃなくて…あの娘が受
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