【D×D】掃除男の素朴な疑問
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れって『ゴエティア』に則ったものだよな?」
「ええ。魔導書、ゴエティア。人が悪魔と契約する方法が記された本。私たちはこれを基に無駄を省いて極限まで簡略化したものを使っているわ」
「ゴエティアの内容はソロモン王に由来するんだったよな」
「そうよ。聖書に記された古代の王、ソロモンが構築した式が元になっているわね」
ここでクエッション。
「つまり72の悪魔を使役したソロモン王って実在したわけ?」
「………………………した、事になるわね」
「…………お前さてはその辺のこと知らないな!?」
「し、しました!実在しました!!」
完全に今気付いたようなリアクションを見せていたが、こいつさては今まで考えたこともなかったようだ。しかしソロモン王が実在したとなると、凄い話になってくる。
何せ伝承ではソロモン王が悪魔を使役できた理由は、いわゆるキリスト教の唯一神ヤハウェが彼に知恵を授けられたからとなっている。
ソロモンはその知恵を駆使して地獄の軍団を率いる72の悪魔貴族たちを使役し、更には天使までも使役したと言われている。神の使いと悪魔を同時に従えてしまったのだ。間接的ながら、ヤハウェは人間を通して悪魔と天使を同じレベルに落としてしまったことになる。
つまり地獄の悪魔連中はみな人に大人しく従っていたわけで、それと敵対する神の使いも彼に従ってたわけで………?
「ソロモン王バケモノじゃねえか!!神と悪魔の戦争どころじゃねえよ!!」
「お、落ち着くのよ箒!それはあくまで聖書以外で残った伝承であって、本当にソロモン王がそんな人間だったかは……!」
「でもゴエティアはソロモン王に由来するんだろ?」
「それは……うん」
その後も議論は紛糾し、最終的には箒の「この話はなかったことにしよう」の一言で終了した。
ソロモン王の伝承がどこまで本当で、どこからが嘘かは謎のままである。
ちなみに偽典では、大天使ミカエルがヤハウェの命であらゆる知識の詰った指輪をソロモンに渡したらしい。それこそが「ソロモンの指輪」と呼ばれるものであり、天使も悪魔も精霊も使役する上に動植物の声まで聴けると言うとんでもない代物だったようだ。(実際にはラジエルの書とか鍵とか諸説ある)
伝承には「悪しき魔神(悪魔や悪霊)も良き魔神(天使のこと)も呪文で強制的に従えさせる」とある訳だが、いくらソロモンがイスラム教における預言者の一人だったからってそんなもの渡すだろうか?
天使と悪魔の対立構造の前提が揺らぐため、多分この世界のソロモン王はそこまで出鱈目な存在ではなかったのだろう、と俺は自分を納得させた。
翌日になってソロモンの指輪が実在すると言う衝撃の事実が判明して、しかもその指輪が掃詰家の倉庫からポロッと出て来て世界がパニックになる
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