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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
鍵の継承
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一輝が主催したゲーム、『神明裁判』。その効果範囲を少し外れた場所に、一つの神殿が建てられていた。
その周りには様々な微精霊が漂っており、神聖な雰囲気を漂わせる。古くから存在し、人々から信仰を与えられてきたと言われれば誰もが信じてしまうであろう。
だが、この神殿はもともと存在していたものではない。
つい半日前までは、ここは何もないただの草原であった。たった半日の間に、この神殿は出来上がったのだ。
神殿の周りにいるのはその神聖に引かれてきた微精霊だけではない。疲れきってぐったりとしている精霊がいた。おそらく、彼らがこの神殿を組み立てたのであろう。
ではなぜ、立った半日しかたっていない建物にそれだけの神聖が存在するのか。その秘密は、この神殿の主の存在にある。
彼は、大量の生物を捕らえて神殿に帰ってきた。
捕まっているのは亜人種等の箱庭の住人。彼らは当然逃げようとするが、逃げられはしない。
ここの主である彼は生粋の神霊。並みの相手では太刀打ちできるはずもないのだ。それゆえ、彼は暴れているのを気にもしないで全員を連れて神殿を進んでいく。
「おかえりなさいませ、オベイロン様。贄を集める程度の事、このわたくしめに任せていただければよろしいですのに。」
「これは私の仕事だよ、パック。我が花嫁を元に戻すための贄を集めるのだ。私がやらなくて誰がやる。」
そう言いながらその神霊・・・オベイロンは、パックにも持ってきた贄の一部を持たせて、神殿の奥へと進んでいく。
そうして進んでいくと・・・茨に囲まれた、より一層神秘的な空間があった。そして、そこには人が一人、茨の中心に存在した。
彼女は両手を天井から伸びている鎖に捕らわれ、脚も床から伸びている鎖で拘束されている。
「さあ、どうだねタイターニア?」
「誰が・・・タイターニアよ・・・」
彼女・・・音央は苦しそうにそう言って、オベイロンをにらみつける。
「ああ、まだ記憶は戻っていないのだね。だが、安心してくれたまえタイターニア。君の記憶が戻るまで私は贄を集め続ける!」
「そんなもの、いらないっつってんでしょうが・・・!」
さらにきつく睨みつける音央の目を、しかしオベイロンは気にもしないで音央に近づき、繋がれている鎖を手に取った。
その鎖にとらえてきた生贄を一人ずつ触れさせ、その瞬間にその人は鎖に吸い込まれていく。
吸い込まれた人はそのまま音央に流し込まれ、生贄を与えられたことで音央の霊格は挙がっていく。
音央が何を言おうとオベイロンはその作業をやめず、全員を音央の糧としてから満足そうにその場を離れた。
そして、その場には音央だけが残され・・・彼女はただ、涙を流していた。
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「ここが、封印の間の入口ですか
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