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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
26.闇の侵蝕者たち
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込む。
一瞬にして移動した彩斗にローブは反応できなかったのか掌底がローブの腹部へと抉りこまれる。しかし彩斗の腕には人を殴った衝撃がくることはなかった。
まるで空気を殴ったかのように全くというほど感覚がない。
彩斗の眼前にローブは確実にいる。
距離をとろうと後ろへと飛び退いた瞬間、ローブがわずかに動いた。
右腕をゆっくりと自分の身体の前へと運び、手先を下から上に動かした。それは手招きの逆のようなジェスチャーだ。
なにかの悪寒を感じ、空気中に漂う水分を盾へと変化させ防御体制に入る。
その瞬間、彩斗の身体に途轍もない衝撃が走った。まるで不可視の巨人の拳が水の防御壁を破壊したようだった。
彩斗の身体は宙を舞い、船の外へと投げ出されたのだった。
「ちょっと、彩斗君! ねぇ、彩斗君!」
絃神港の大桟橋の上で少女の声が響く。
友妃は何度も彼の名を叫んだ。
通話の途中で謎の爆音とともに繋がらなくなった携帯に向かって何度も叫んだ。
「どうしたのよ、友妃?」
長剣を構えた背の高い少女が友妃を落ち着かせる。
「わかんない。彩斗君との連絡がとれなくなった」
夜に浮かぶ豪華クルーズ船を友妃は見上げた。
彼女たちのいる桟橋からでは船内の様子は見えない。しかしそこで爆発が起きれば気づかないわけがない。
彩斗は今は“オシアナス・グレイヴU”の船内にいるはずだ。
紗矢華は、式神を飛ばして、古城たちを監視している。
彩斗は古城の近くにはいないらしい。
友妃が放った式神も携帯が切れたとともに消滅したのだ。
「とりあえずは、そこにいるアルデアル公に聞くのがいいのではないでしょうか?」
「なんだ、気づいていたのか。さすがは獅子王機関の剣巫だね」
なにもない虚空から、気気障りな響きの声が聞こえてくる。風に乗って集まってきた金色の霧が、やがて白いコートを着た青年の姿を形作る。ディミトリエ・ヴァトラーだ。
「アルデアル公。彩斗君はどこですか?」
若干、強い口調で友妃は訊いた。
「ボクは最初からここにいたんだ。彩斗のことは知らないサ」
友妃の疑問に、ヴァトラーは平然と笑ながら答える。
その答えは嘘か本当かどちらとも取り難いものだった。
それなら彩斗はどこへ消えたのだろう。
今だ繋がることがない携帯電話。
「それはそうと、姫柊雪菜」
ヴァトラーは話題を変え、雪菜を見る。
「きみは、どうして自分が古城の監視役に選ばれたのか、その本当の理由に気づいてるのかい?」
「それは、どういう意味ですか?」
からかわれたと思ったのか、雪菜がムッと眉を寄せた。
「いや……質問を変えよう。そもそも第四真祖とは何者だ
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