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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
26.闇の侵蝕者たち
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輝きの魔力の塊が、巨大な獣と梟を形作る。
異界からの召喚獣。天災に匹敵する破壊の塊が、雷光の速度をもって立ち尽くす魔女へと突撃する。さらにその上空から神々しい翼を持つ梟が突撃する。
だが、それを見ても仙都木阿夜は表情を変えなかった。
「さすがだな……まだそれだけの余力を残していたか」
感心したようにそう呟いて、仙都木阿夜が虚空に文字を描いた。光り輝くその文字を、二体の化け物が薙ぎ払う。
「だが、それももう終わる」
「「──なっ!?」」
彩斗と古城が呼び出した眷獣が、なんの前触れもなく虚空に溶け込んで消滅した。
衝撃も異音も感じられなかった。微風すらあとには残らない。まるで最初からそこに何もなかったかのようにだ。
違う。消滅したのは眷獣だけではない。身体から魔力が失われる。
世界最強の吸血鬼と伝説の吸血鬼はこの瞬間、ただの高校生に戻された。
「先輩の力が……そんな……」
「嘘でしょ……」
巨大な魔力の消失を感じて、雪菜と友妃は呆然と首を振る。
仙都木阿夜はただ優美に微笑んだ。
「これが闇誓書だ、第四真祖、真祖殺し。すでにこの絃神島は、我の世界となった。ここでは我以外の異能の力は全て失われる。それがたとえ真祖の力でもな」
彼女の言葉が終わる前に、隣にいた古城の身体が震えた。
がふっ、という声とともに古城のは血を吐いた。顔のない騎士が巨大な剣が、古城の胸に突き刺さっていたのだ。
「暁古城──!」
膝から崩れ落ちていく古城を抱き留めて、紗矢華が叫んだ。
そんな紗矢華の背中をめがけて、黒騎士が剣を振り上げる。絶叫が夜の港を震わせた。
「ああああああああああああああ──っ!」
叫び声の主は雪菜だった。呪術によって強化した筋力で、彼女の華奢な身体が疾走する。銀色の槍が眩い破魔の光を放ち、黒騎士の剣を弾き飛ばす。
「雪菜!?」
紗矢華が驚きの声をあげる。
「はああああ──っ!」
気を溜めるような叫びが響いた。友妃が”夢幻龍”に魔力を流し込んだ強烈な一撃を背後から黒騎士をめがけて放った。
それは空間転移されたことで空を切った。
「やはり、そうか。我が世界の支配を拒むか、獅子王機関の剣巫、剣帝」
「……どこ見てやがる」
底から出てくるような低い声を彩斗は吐き出した。
雪菜と友妃の攻撃によって注目を逸らされた仙都木阿夜の背後に彩斗は回り込んで拳を振り上げた。
その攻撃には魔力も霊力もなにも含まれてはいない。
だが、こいつを殴るには十分な力だ。
しかし彩斗の拳に衝撃はこなかった。
空間転移で移動されたのだ。
「それでこそ我が実験の客人に相応しい。わざわざ迎えに来た甲斐があったとい
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