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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
26.闇の侵蝕者たち
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人形みたいで可愛いよね」
「まぁ、確かにこれはな」
「見た目はな」
彩斗と友妃、古城の三人もその言葉には同意する。
「とりあえず彼女の保護はできたのよね。このあとはどうするの?」
襲撃してきた脱獄囚は撃退した。
だが、事件は何も解決していない。那月は幼児化状態のままだし、優麻の“守護者”は戻っていない。脱獄囚の仙都木阿夜も含めて、まだ捕まっていない脱獄囚も何人もいる。
「MARに連れて行くよ。ヴァトラーや煌坂のおかげで、那月ちゃんを狙ってた脱獄囚はあらかた片付いたみたいだしな。こんなんでも記憶さえ戻れば、優麻を助けてくれるかもしれないし」
幼くなった那月を見下ろして、古城が答えた。
ふと海へと目を向けるとそこにオシアナス・グレイヴUの姿は無くなっていた。いつからいなくなっていたのだろうか。
途轍もない嫌な予感が彩斗の中をめぐった。
「あの使い捨ての人形を助ける、か……その気遣いは不要……だ」
禍々しい悪意に満ちたその声に、彩斗たちは勢いよく振り向いた。
夜の闇の中に立っていたのは、白と黒の十二単を着た火眼の魔女だ。
「──仙都木阿夜!」
「あんたも那月ちゃんを追いかけて来たのか!?」
雪菜と古城が、サナを庇って身構える。
彩斗と友妃はいつでも動けるように神経を研ぎ澄ます。
しかしそんな彩斗たちの反応を、仙都木阿夜は気怠そうに眺める。
「そういきり立つな、第四真祖、真祖殺し。
我
(
ワタシ
)
は”空隙の魔女”を殺しにきたわけではない」
火眼を細めて、彼女は笑う。
「むしろ感謝しているのだ。その女が脱獄囚どもを引きつけておいてくれたおかげで、宴の支度がととのった。一度は裏切られたとはいえ、さすがは我が盟友といったところか」
その瞬間、異変に紗矢華が呻いた。
「煌華麟が……!?」
握っていた剣の先端に落として、紗矢華が困惑の声を出す。まるで煌華麟の重量が増したように見える。
「……魔力が消えた? 嘘!?」
紗矢華の動揺に気づいて、彩斗たちは顔を見合わせる。
「──“
影
(
ル・オンブル
)
”」
阿夜が自らの”守護者”を実体化させる。漆黒の鎧をまとった顔のない騎士。
漆黒の騎士はこちらに向かい突進してくる。
「先輩!?」
「彩斗君!?」
全身に稲妻で包んだ古城と爆発的な黄金の魔力を吹き出す彩斗を見て、雪菜と友妃が驚愕の声を洩らした。真紅に染まった二人の瞳が火眼の魔女を睨みつける。
「
疾く在れ
(
きやがれ
)
、“
獅子の黄金
(
レグルス・アウルム
)
”──!」
「降臨しろ、“
真実を語る梟
(
アテーネ・オウル
)
”──!」
雷雲の熱量にも匹敵する濃密な魔力の塊と神の
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