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曇りの日に
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3.途中でビニール傘を買うことにした。
「よし」
 彼は遂に決めた。
「途中で買おう」
 何か行き当たりバッタリだがそれが一番いいと思ったのだ。
「降るかどうかなんてわからないしね」
 空を見上げて呟く。
「それなら急いで買うこともないし」
 そう考えて決めたのだ。そのまま行くことにした。
 待ち合わせ場所に向かう途中も天気はかなり悪かった。それどころかどんどん悪くなっていく。彼はその中で次第に不安になていくがまだ雨が降っていないので買わなかった。
 迷っていたせいか待ち合わせ時間に少し遅れてしまった。もうそこには美輪がふくれた顔で立っていた。
「遅いわよ」
「御免」
 まずは謝ることになった。とんだ藪蛇であった。
「何してたのよ」
 ほんの数分だが美輪はそれでも厳しい。彼女は時間には五月蝿いのだ。
「だから御免で」
「天気も悪いのに。一体何処に行ってたのよ」
「ちょっとね。あれこれ考えていて」
「そうなの。まあいいわ」
 美輪の方で話を打ち切ってきた。
「デート、行きましょう」
「うん」
 こうしてデートをはじめた。だが歩きはじめたらすぐに雨が降ってきた。
「やっぱり」
 美輪は雨が自分の髪にかかったのを見て不機嫌な顔をさらに不機嫌にさせてきた。
「傘、持ってる?」
「いや、まだだけれど」
 強はその問いにこう答えた。
「まだってどういうことよ」
「あの、降るかどうかわからなかったからさ」
 彼は言う。
「持って来てないし。途中で買うつもりだったんだ」
「そうなの。じゃあ」
 とりあえず美輪は辺りを見回した。
「何処かのお店で買いましょう」
「そうだね。けれど」
 ここで彼はとんでもないことを思い出した。
「傘ってさ」
「ええ」
 何か話がおかしな方向にいく。
「何処で買えたっけ」
「えっ!?」
 美輪はその言葉を聞いて瞬間的に顔を顰めさせてきた。それから強に対して言った。
「何言ってるのよ。コンビニでも買えるじゃない」
「そうだったよね」
「そうよ。とりあえずコンビニだけれど」
 見回してもこういう時にないものだ。いつもはうざったいまでに見かけるというのに。
「何処かな」
「いいから探してよ」
 美輪の声がいらついてきていた。
「このままだと風邪引くじゃない」
「そうだよね。けれど」 
 見回せどどうにも見つからない。何か不安になってきているところでやっと一店見つけ出したのであった。
「あっ、ほら」
 その店を指差して言う。
「あったよ、あそこに」
「そうね。だけどさ」
 しかしどういうわけか美輪の不機嫌なのは変わらなかった。
「どうしたの?」
「見てよ、お店の中」
 その不機嫌な声で強に対して言う。
「お客さんで
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