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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
戦力外通達
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も言わず、話を続けるよう目で催促する。
「そもそも、貴方という存在自体が不安定なのですが・・・悪神でありながら倒された蚩尤。これは倒した人が善の意識を持っていたのでしょう。善へと属しています。」
「まあ、五代目は正義感が強い人ではあったらしいな。」
蚩尤は多少不安定ではあるのだが、それでも善というカテゴリーの中に確立している。
「天逆海は、おそらく倒した人がその後すぐにでも悪側に属してしまったのでしょう。ですが、まだ安定して魔王となっているのでいいでしょう。」
その辺りについては多少違う部分があるのだが、一輝はそれをわざわざ訂正することはしない。
「ですが、残りの一つはどっちつかずとなっている。それも、その一つだけは借り物ではない、純粋にあなたものでしょう。そんな不安定な、いつ魔王となって脅威とかすかも分からない人を置いて戦えるほど、甘い相手ではありません。」
そしてラプ子は、その一言を下す。
「貴方はそれを・・・不安定な貴方自身の主催者権限を安定させない限り、戦いへの参加を禁じます。」
「ん、分かった。」
が、それに対する一輝の返答はその程度のものだった。
さらには、雰囲気が生き生きとしている。
「・・・貴方、」
「ああ、勘違いしないでくれよ?俺はアジ=ダカーハと戦えないのは心底残念だ。絶対悪の人類最終試練。それほどの相手なら相手に不足はないし、今の居場所であるノーネームを守りたい。」
けど、それでも。
彼には、それより優先してなさねばならないことがある。
「今回、戦略を考えて全体の指揮権を握ってるラプ子から戦力外通達をされた。だったら、俺がここを離れても文句を言うやつはいないだろ。」
「・・・私は、どこか部屋にこもるか何かして自身を確立しろ、と言っているのですが?」
「断る。この主催者権限は、俺の一族が長い年月をかけて功績を積み重ね、信仰を受けて手に入れたもの。そんな軽々しく扱うつもりはない。」
そう言ってから一輝は背を向け、出口を向かう。
「これの善悪を決めるなら、それは戦いの中にしかない。戦いの中で、俺自身が答えを出す。そうでなければ意味がない。これが、第六十三代鬼道としての決定だ。」
「意思を変えるつもりは?」
「ないね。そういうわけで、俺は音央を助けに行く。」
部屋を出る直前、そういえば、と一輝は声をかけた。
「何ですか?」
「当然ながら、鳴央とスレイブ、それにヤシロちゃんは連れていくから。」
「そ、それは・・・!」
「文句は言わせねえぞ。あの三人は俺に隷属したりしてる身だからな。俺を戦力外にする以上、あの三人も同じ扱いになる。」
ラプ子はそれに反論することができず、奥歯を噛みしめる。
スレイブは一輝以外に使われる気がないので
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