第七話
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「カミトさん、大丈夫ですか?」
「俺の心配よりもお前の体の方が心配だ。俺は精神体だからそんなに疲れないが使っていたのはお前の体なんだ」
「大丈夫ですよ。伊達に鍛えられてませんから」
といってもこの精神世界での話なのだが……それを現実世界でも使えるように毎日頑張って筋トレなどをしている。
「それにしても……コカビエルもバカですよね。精霊王に逆らうなんて……それも《剣の覇王》と称されるほど剣術を極めた《闇の精霊王》に逆らうなんて……」
「剣の覇王、か……まあ、俺もこの世界に来た頃はただがむしゃらにやってたからな」
「いいじゃありませんか。そのおかげでその強さを手に入れたんですから……それとも元の世界に未練でもありますか?」
「未練なんて……ありまくってるに決まってんだろ?俺のせいで滅んだようなもんなんだぞ?」
「カミトさん……」
俺はカミトさんの事は何も知らない。《闇の精霊王》であり俺に絶剣技を託してくれた事……そしてカミトさんはこの世界の元素精霊界ではない、別の世界からこの世界に迷い込んだ事……そして、カミトさんのせいでその世界は滅んでしまったという事……。
これくらいしか、知らない。
「そろそろ、朝だぞ。もう戻れ」
「カミトさん……また、来ますね」
俺はそう言って意識を浮上させた。
カミトSIDE
「………………」
消えていくイッセーの姿を見つめる……。
「カミトさん、何で何も伝えないんですか?」
アレイシアはそんな俺に問いかけてくる。
「何を言ってるんだ?俺はちゃんと伝えたぞ?」
「じゃあ、なんで……貴方が元々人間で、力に飲まれて魔王になり《闇の精霊王》になったのを伝えないの?」
そう、俺は力に飲まれ魔王となった。
俺が元々いた世界……そこには今、イッセーと共にいるクレア・ルージュ、リンスレット・ローレンフロスト、フィアナ・レイ・オルデシア、エリス・ファーレンガルト……皆がいた。
俺は皆とチームを組み……精霊王に捧げる剣舞《精霊剣舞祭》に出場し……力に飲まれ、《闇の精霊姫》となったクレアの願いをも跳ね除けて世界を滅ぼした。
その際の力によって空間が歪み、俺はこの世界の元素精霊界に飛ばされていた。
その時には俺は既に理性を取り戻しており、男とは思えない程に情けなく泣いたんだったな……。
「……あいつには力に飲まれてほしくはない……俺という前例を見せてしまえばそれに臆してしまうかもしれない……」
「だから、彼に力を与えたと?でも、彼はそんな事しなくても力に飲まれる事はないと思うわよ」
「わかってるよ……俺だってクレア達と一緒に過
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