第十二話:ただ一人君の為なら
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が聞こえてきたので俺も目を閉じる
―しっかりとクロを抱きしめながら―
腕の中で何かが動く感触がして目を覚ますと顔を赤らめたクロと目が合う
「「…………おはよう」」
どちらとともなく交わした挨拶が被り可笑しくて笑い出す
「ふふ、シェフ、今日の朝食は何かにゃ?」
「本日のメニューはトーストとスープとトマトサラダです」
「ルドガーって本当にトマトが好きよね」
「トマトは俺のアイデンティティみたいなものだからな――っ////////!!?」
呆れた様子のクロにトマトのすばらしさを語ろうとするが
生まれたままの姿のクロに気づき頭がフリーズしてしまう
「にゃ?恥ずかしいのかにゃ?もう、一夜を共に過ごした仲なのに♪」
そういいながらクロは顔を背ける俺の背中に柔らかいものを押し付けてくる
「と、とにかく服を着てくれ!!!」
俺はそれだけを必死に叫んでクロから逃れるようにキッチンに向かった
後ろからクロの笑い声が聞こえたが気にしないことにした
何とか朝食を作って先ほどの光景を忘れようとしていると服を着たクロがリビングに来た
しかし…なんというか着物をはだけさせているので裸よりも色気を感じてしまう
最初はまた俺をからかおうとしているのかと思って注意したら、いつもこんな感じだと言われた
それにしてもやっぱり隠されているのが一番エロ―ゴホン
とにかくクロにはもう少し気をつけるように言っておいた
まあ、そんな感じで朝食も出来上がり、初めて人型のクロと一緒に食事をした
何でも猫舌なのでスープは少し冷まさないと食べれないとのことだった、さすが猫
そういうこともあって食事はいつもよりも時間がかかったと思う
……いや、本当はただ時間が過ぎて欲しくなくてゆっくりしただけだと思う
楽しい時間程直ぐに過ぎていくのは真理だ、今回もその例から外れることはなかった
「そろそろ、いくにゃ………」
「ああ………」
そうは言うものの中々動き出せない俺達……また証の歌でも歌おうか
「ルドガー」
そんなことを考えているとクロが話かけてきたので顔を上げる
「私の本当の名前は黒歌にゃ、覚えておいて欲しいにゃ」
「分かった」
「それと――」
俺の口が突如柔らかいもので塞がれる、目の前には黒歌の顔がドアップで映ってる
……これは……何だ?
「初めてのキスはイチゴの味っていうけど……ルドガーはトマトの味がしたにゃ♪」
ああ、そうか……俺キスしたのか………って、ええええっ!!?
「ルドガー、私、ルドガーのことが大好きにゃ……返事はまた会えたら聞くにゃ……」
顔を真っ赤にしながらそう言い残
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