マクロスF
0695話
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りという訳では無いのだろうが、何故か驚愕の視線を俺へと向けたまま急に瞳に涙を溜め始めるランカ。それに気が付いたアルトが声を掛け、シェリルもまた心配そうに見つめるが、ランカ本人は何故自分が涙を流しているのか分からないらしく戸惑ったように自分の目元を拭いている。
「あ、あれ? ……何で急に涙なんか……」
「ほら、落ち着け。ったく、安心しろよ。お前くらいなら俺が何とか守ってやるからよ」
ポンッとランカの頭に手を乗せながら告げるアルトに、シェリルが含み笑いを浮かべる。
「あら、貴方……えっと、確かアルトだったっけ。意外と頼りがいがあるのね。てっきり『自分にはどうしようもないから、騒ぐな』とか言いそうだと思ったんだけど」
「お前の中で、俺はどんな扱いになってるんだよ」
溜息を吐きながら頭を掻きつつ文句を言うアルトだったが……
「アクロバット飛行で私に衝突してあわや殺人の罪に問われるところだった……とか?」
「ぐっ、あ、あれは俺が悪いんじゃなくだな」
「ふふん、でも結局あの時にアクセルが助けてくれなかったらどうなってたかしら。私を、シェリル・ノームを殺した男として歴史上に名前が残ったかもね」
「ぐぐっ!」
自分が実際に危険な真似をしたというのは理解しているのだろう。シェリルの言葉に詰まるアルト。とは言っても、あの時のアルトはぶつかられた反動でああなったんだから、ある意味被害者でもあるんだが。そんな2人に向けて溜息を吐き、口を開く。
「取りあえず2人共落ち着け。このままここにいても表の戦闘に巻き込まれるかもしれないし、何よりシェリルが行方不明となると色々な意味で拙いからな。さっさと戻らないと……」
当然、普通にアイランド1の中に戻れるとばかり思って出た言葉だったが……
「何を言ってるんだ、アクセル。ここは非常用の待避壕だぞ。ドーム内には通じていない」
「ちょっと……それってもしかして、私達はここに閉じ込められたって事!?」
「ええええっ!」
アルトの言葉に思わず声を上げるシェリルとランカ。だが、何故かアルトは何処か呆れた様な視線を俺に向けている。
「アクセル、お前何でそんな基本的な事も知らないんだ?」
「いや、前にも言った通り俺がフロンティア船団に来たのはつい最近だしな」
「けど、その辺の構造なんかはどこの船団でも大して変わらないんじゃないか?」
そんな風にアルトからの話を何とか誤魔化していた俺だったが、幸いな事にその追究に関してはシェリルとランカが遮ってくれる。
「暑いわねぇ……」
そう言いつつ上着を仰いで少しでも風を服の中に入れているシェリルと、ランカもまたへばったように床に座り込んでいた。
「そう言えばそうだな。構造上しょうがないんだろうけど……
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