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Epos31-C砕け得ぬ闇の使徒〜Star And Thunder〜
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†††Sideフェイト†††

「――迷惑を掛けたな、フェイト」

偽者のクロノがすまなさそうに謝ってきた。私は「ううん、気にしないで」って首を横に振る。私が相手にしたクロノの偽者は、自分が“闇の書”の闇であるナハトヴァールや防衛システムを復活に必要な欠片だっていう自覚を持っていた。そして管理局執務管としての自覚が薄れていくってことで私に撃破するように頼んできた。

「しかし嫌なものだな。記憶が曖昧になっていくんだ。現在の僕じゃなく、過去の僕――フェイトやなのは達と出会う前、闇の書に少なからず嫌悪を、憎悪を抱いていた頃の・・・」

なのは達やはやて達には知らされていないけど、クロノのお父さんでありリンディさんの夫であるクラウド・ハラオウン提督は、11年前の“闇の書”事件の犠牲者だ。

「もし君に出会う前に守護騎士のみんなと遭遇していたらと思うと・・・。よかったよ、彼女たちに心無い暴言を吐かずに済んだ」

クロノが心底安心したって風に微笑んだ。そして最後に「残滓である僕に言われることじゃないだろうが、闇の書の復活の阻止、頼む」そう言って消えていった。消えていったクロノに私は「うん。必ず」強く頷いて誓った。とその時、『フェイト。クロノだ』本物のクロノから通信が入った。

「うん、どうしたの?」

『まず、僕の偽者が迷惑を掛けたようだ、すまない』

「ううん。偽者でもクロノはクロノだったよ。・・・えっと、それで、何かあった?」

『ああ。今から言うポイントに、マテリアルと思われる妙な反応が探知されたんだ』

クロノの話に「え?」って訊き返した。いま私たちは散開して“闇の書”の復活を企んでいる特別な残滓――マテリアルを必死に探している。マテリアルの存在が、残滓の発生に繋がっているそうだから。でも遭遇するのは残滓ばかり。持久戦になると負けはほぼ確実だ。だからそれも踏まえて探しているんだけど・・・。どうやって探り当てたんだろう。

『やっほー、フェイト♪』

「アリシア!? なんで・・・?」

新しく展開されたモニターにアリシアが映し出されて、私に向かって手を振った。そんなアリシアが『わたしが発見したんだよ、残滓とマテリアルの違い♪』って驚くべきことを言ってきた。というかアリシアは今日、クラスメイトの子たちと遊びに行く予定だったはず。それなのにどうして家に居るの?

『いやぁ、すごいよ、アリシアちゃん。私たちアースラオペレーターの誰よりも早く、マテリアルと残滓の魔力反応の違いを見つけたんだから。アリシアちゃん、才能あるよ。その観察眼は目を瞠るものがあるね、うん。是非、管理局に欲しい人材だよ〜♪』

『いやぁ〜、それほどでもぉ〜・・・あるよ♪』

アリシアが嬉しそうに照れていて、エイミィは『さっすが〜♪
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