2ndA‘s編
第十話〜闇の帳〜
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ートの床に転がっていた。最後の一人は男の子であり、自らの杖型のデバイスを支えに膝を付き肩で息をしている。
彼、クロノ・ハラオウンは気絶した二人の少女、なのはとフェイトとアルフを庇うような位置で、自分たちを見下ろす女性を見上げた。
「お前たちも、もう眠れ」
静かに、だが、よく響く声でそう告げる女性は、背に三対六翼の黒い翼を広げ飛んでいる。彼女こそ、先程までライが夢の中で会話していた相手であり、彼にとっての探し人であった夜天の書の管制融合騎である。
「……っ、今すぐ戦闘行動及び武装解除を行い投稿しろ!」
「それはできない。我が主はこの世界が悪い夢であってほしいと願った。私はそれを叶えるだけだ」
痛みに耐えながらの要求は、虚しい程簡単に拒否される。彼女からすれば、それはもう確定事項であり曲げることのできないものであるのだから。
その返答に歯噛みしながら、クロノはどうしてこうなったのかを思い出す。
彼は本当なら管理局所属の時空航行船アースラで、今回の事件に対処するための陣頭指揮を取るはずであった。しかし、その日の夜明けとほぼ同時に海鳴市の二箇所でヴォルケンリッターからの襲撃があったのだ。
一箇所は高町なのはの住む家であり、もう一箇所はクロノの身内である母親とフェイトが使い魔と共に住み込んでいるマンションである。
探していた対象からのいきなりの襲撃になのはとフェイト、そしてアルフは苦戦を強いられる。どうにか粘る三人であったのだが流石に部が悪く、何とか合流することはできたのだが、最終的に蒐集されることになってしまった。
そして、一旦戦闘が終了した頃、クロノが救援としてその場に現れる。
襲撃者側のシグナムとヴィータ、そして途中から参戦したザフィーラはこれ以上下手に時間をかけて戦闘を行うのは無駄と考え、逃走を開始しようとした時に“ソレ”は行動を開始した。
突然、ヴォルケンリッターとクロノとの中間地点に近い位置に夜天の書が姿を現したのだ。
姿を見せた夜天の書は、周囲に伝えるように脈動を始める。そのことに不快さを感じる間もなく、夜天の書の内側から這い出てくる蛇の群れで、その本は埋もれ一つの球形になる。
「待て!我らはまだ戦える!!」
急な出現に思考停止をしているクロノは、シグナムの必死な叫びに意識を引き戻される。
そこからの展開はまさに急転直下であった。
まず、その場にいる全ての魔導士を高度なバインドで捕縛、その後近くに潜んでいたシャマルが召喚され同じく捕縛される。
ヴォルケンリッターのメンバーはそのまま意識を落とされ、バインドではなく触手のような蔓に貼り付けにされる。
そして、舞台は整ったと言わんばかりに、その場に召喚されたのだ。
今代の夜天の書の主である八神はやてが。
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